物流

【連載第20回】 ECでも棚卸って必要??棚卸の基本を知ろう!

皆様、こんにちは!

3月末決算で、そろそろ『棚卸』をしないとな~なんて準備を始められるEC事業者様もおおいのではないでしょうか?
よくEC事業者様からお伺いするのが、
「見えない在庫も多いので棚卸したいが、出荷を止める訳にはいかないので、棚卸できない。どうしたらいいの?」「棚卸をどの様にすれば効率がいいですか?」
「準備と期間はどうすればいいですか?」等などです。
そんなお悩みに回答すべく、今回は『棚卸』について書いてみます。
ECでも、もちろん棚卸は必要なのです!

1) どうして棚卸しないといけないの?

そもそも、棚卸とは、物流用語的には、
『ある時点で、保管してある商品の実在庫を数えて確認し、帳簿とのずれがないかを確認する作業のこと。』
もちろん会社の会計上、正確な在庫を把握しなければならないという事が前提にあります。

在庫管理の現場視点から見ると、「やらないといけないけど、棚卸大変」
「いつも帳簿上と数がずれてしまっている」という現場は多いのではないでしょうか?

「在庫が合わない理由」は様々あります。よくお伺いするのは、

*返品で帰ってきた商品を棚に戻す際のカウント忘れ
*入荷時のカウントミス,そもそも入荷忘れ
*撮影等でちょっこっと借りたけど、棚に戻すのを忘れてしまった
*管理台帳への入力ミス

等。日々出荷で忙しいECの現場では、ちょっとの「忘れ」「ミス」の積み重ねが多い様に感じられます。

在庫は会社にとっては『大切な資産=お金』なんです。
帳簿と実際の数が合わないとは、会社の現金残高が合わないのと同じです。

又、在庫に余裕があると思ってお客様から受注してみると、実際は在庫がなく欠品になってしまう。
逆に、在庫がないと思って追加生産してみると、実は在庫があって、結局過剰な在庫となってしまう。
これらはお客様の信頼を失う原因になりますし、経営を圧迫する要因にもなりかねません。
きちんと「在庫管理」をする為に『棚卸』は必要なのです。

2) 棚卸の時って出荷を止めないといけないの?

それでは実際『棚卸』するにあたり、EC事業者様には売上にも大きく影響する、なぜ出荷を止めないといけないのか?

棚卸は、棚に保管してある実際の在庫数をカウントする作業です。その作業中に出荷作業等で商品を抜き取る作業をしてしまうと正確な在庫数が把握できません。正確に言うと「出荷を止めなければいけない」のではなく、「棚卸作業中は在庫の移動が発生する作業はしてはいけない」ということです。

大きく棚卸には2つ方法があります。
1. 一斉棚卸法
2. 循環棚卸法

◇1.一斉棚卸法

こちらは、弊社お客様のEC事業者様もよく利用されているポピュラーな方法で期末などに日程を決めて一度に実地棚卸しを実施する方法です。
一度にまとめて作業が行えるので作業効率はいいですが、在庫数が多いと棚卸確定までに時間がかかってしまい、入出荷作業を止める期間が長くなってしまう欠点があります。
多くの会社では、夜間や土日祝日をうまく使って棚卸をする時間を確保しています。

◇2.循環棚卸法

こちらは、”部分棚卸”と呼ばれる事もあり、「今回はこの商品群」というように棚卸対象商品を循環的に切替ておこなう棚卸方法です。
この方法ですと、業務終了後の夜間などを活用し、回数を分けて作業を行うことで、日々の業務に影響を与えません。そのかわり、棚卸確定までに時間が空いてしまうため、その間に在庫がずれてしまうリスクもあります。

在庫を常に意識されているEC事業者様は、この2つの方法の併用をされている所も多々あります。
細かい商品,紛らわしい商品等は定期的に「2.循環棚卸」を実施し、年数回「1.一斉棚卸」を実施する。
この方法をとっておけば、実際の棚卸時間も短く、効率のいい棚卸(在庫差異がほとんどない)ができます。
棚卸は実在庫をカウントする作業であると言いましたが、正確には
「在庫数カウント → 帳簿在庫と差異確認 → 差異のある商品の再調査 → 棚卸確定」
という作業の流れになります。

実は、この“差異のある商品の再調査”がくせもの。在庫の誤差が多ければ多いほど、再調査に膨大な時間が必要になります。

つまり、日々の在庫精度を高めておけばおくほど、棚卸の作業時間を短縮でき、出荷など日々の業務への影響も最小限にできるのです。

弊社のお客様でも、
以前は棚卸のために出荷を1週間止めていたが、この方法をとると、日々の在庫精度が上がったため棚卸作業期間を半日に短縮でき、お客様の出荷もSTOPせずに済んだ。といったお声をお伺いした事もあります。

3)どうすれば効率のいい棚卸ができるの?

前に述べた「循環棚卸」「一斉棚卸」を併用するのも効率がいい棚卸の手段ですが、
それ以外に

*ロケーション管理をきちんとし、庫内を整理しておく
*バーコード等で商品管理をし、システムを利用した棚卸を実施する

等の方法があります。
弊社でシステム導入頂いたお客様の事例を紹介させて頂くと、

lo01

こちらの写真は棚卸実施前の現場です。
左側の段ボールに白い紙があるかと思いますが、これが在庫表となっており、商品名が張ってあり、入荷、出荷の度に数字を記入したり、以前の棚卸した際の数を記入したりよく見かける現場です。

弊社システム導入タイミングで棚卸実施されました。
この際、ロケーション管理も実施する為に棚整理用にケースを用意されました。

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この様なケースでなくても、上の様な段ボールで管理されている現場も多いです

商品も「バーコード」管理する為に全ての商品に『バーコードシール』貼り付けもしました。
確かに、この際の棚卸時には、時間とお金もかかったかと思われます。
この後、効果をお伺いした所、下記の結果が出ました。

棚卸
1人あたりの棚卸
導入前 150枚/1時間
導入後 500枚/1時間

棚卸にはいつもかなりの人数,時間をかけていたのが、棚卸作業効率も約3倍。
合わせて、棚整理もできたので、日々の出荷件数も、半年で3倍位まで改善されていました。
棚卸実施すると共に、現場管理も効率改善できた為です。

『棚卸』これは時間も人手もかかるので、憂鬱な作業の一つではありますが、
『棚卸』をきっかけに、庫内改善,在庫管理の大切さを意識してみてはいかがでしょうか?