物流

【連載第26回】「通販物流在庫管理とは?」~人気ショップはこうしてます!知っておきたい通販物流・在庫管理のテクニック~ 物流現場の人材確保の現状~その②

皆様、こんにちは!

『物流現場の人材確保の現状~その②』
前回は、運送会社のドライバーさんの人材確保「物流2015年危機」についてお話いたしましたが、今回は、その続編で、「物流現場の人材確保の現状」をお伝えいたします。

どの業界でも人手不足に悩まされていると思います。
2014年7月の新規求人は前年同月と比較すると4.5%増という数字も出ています。
働く側にとってはいい傾向ではありますが、雇い側にとっては、人材確保がまだまだ厳しい状況の様です。

物流作業現場を支えているパート従業員の方々

物流の作業現場にお邪魔させて頂く機会が多いのですが、
どこの現場にも必ず「パート従業員」の方が沢山いらっしゃいます。

ネット通販物流の現場では、細かい作業が多くあります。
特にアパレル,雑貨等の商材は入荷~検品~梱包出荷までに商品の袋を入れ直したり商品の細かい箇所まで検品したり、ギフトラッピングなど様々な付随作業が必要となる事があります。
更に、決められた時間内に的確に作業をこなす必要があります。
この作業を多く請け負っているのが、主婦の方や年配の方の「パート従業員」の方々です。

この中でも「ベテラン パート従業員」と呼ばれる様な、キーマンの方などは、
全ての商品と保管場所を覚えていたり、現場を取り仕切ったり、同僚の面倒を見たりと
「この方がいないと現場が回らない」と言われるほど、
様々な場面で「社員顔負け」の活動をされている方もいらっしゃいます。

たとえば、私が訪問したある女性向け雑貨のネットショップ様の現場ではこんなことがありました。
「女性へのプレゼント」として購入された男性から、「誕生日プレゼントなので宜しくお願いします」というコメントがついていました。そんな時に現場で「どんな風にラッピングしたら喜んでもらえるだろう?」と言ってみなさんで色々意見を出し合っていたのを思い出します。
決められたラッピング作業ではありますが、この様に「受け取り側」の立場にたって心のこもった作業をされている現場もあります。

そう、実は私たちネット通販にとって重要な出荷現場は、パート従業員の方々で支えられているのです。

パート従業員確保の難しい現実

この様に、ネット通販の物流現場でキーマンとなる「パート従業員」の方々ですが、最近、人手不足が問題となっています。

ある物流会社では、消費税対応出荷もあり、2~3月にかけてパート募集した所、今までの募集概要では全く集まらなかったそうです。

*時給750円だったのが、時給850円にUPしてやっと応募がきた。
*通常募集かけると、15~16人位は必ず応募があったが、今回は全くない時もあった。
などなど。

原因としては、
・近くに大きな工場がありそちらで大規模な人員募集があったこと
・イオンモール等の大型施設ができて新規の求人が増えたこと
などが考えられるという事でした。

また、単純に募集を継続すればよいかというと、違う悩みも。

あるメーカーの物流子会社では、新聞折り込みにいれるチラシをメインでパート募集をしていたが、他社の時給が850円平均になってしまい、今までの時給750円では全く集まらなくなってしまったそうです。

集まらないから何度もチラシ広告を入れたいところですが、あまりに頻繁に入れると
「ここの会社人が定着しないんじゃないの?」
「応募ばかりかかってるから、環境よくないのかも」
といった風評も出てくるので、あまり広告もできないと、頭を抱えていました。

結局、人が集まらないので、今いるメンバーの残業でなんとか乗り切ったそうです。
残業代ももちろんですが、残業に伴う「建物の光熱費の増加」もばかにならず、コスト的に非常に厳しい思いをされていました。

本当に切実な課題です。

パート従業員確保の対策とは?

もちろん、従業員確保には「賃金UP」が必要ではあるのですが、
なかなか賃金UPは厳しいという事で、色々な対策をとってます。

◆継続して働いてもらう為のモチベーションUP

*表彰制度
年間を通してよく頑張って下さった方に対しては表彰制度を設けて、寸志を渡したりギフト券をプレゼントしたりする

*昇格制度

パート従業員の方の中でもチーフ,リーダー等といった制度を作り、がんばれば賃金UPしていく制度にしている

頑張っていると成果がでるという事で、モチベーションアップにつながり、業務改善等も積極的になる現場も多いそうです。

◆職場環境改善

*『更衣室』や『化粧室』のリニューアルなど施設改善
毎日長時間働いて頂く場所の環境は重要です。
「更衣室」のコインロッカーを広くとり、ある現場では冷蔵用ロッカーも備えている現場もあるそうです。
施設の違いによっても女性の職場定着率は違ってくるそうです。

◆利用システムの改善

普段利用しているので、あまり改善される事がないのが実はシステムです。
人も増やせない。残業もできない。となると業務改善が必要なります。
作業効率UPの為に色々な工夫をされてらっしゃる現場も数多くありますが、
「全てを人海戦術でベテランパートさんにお任せ」の状態から、
「一部はシステム導入して、誰でも手伝える状態」にし色々な方がどの仕事もできる様に分散するという事も、業務改善の一環となってきています。

ネット通販業界も、お客様に商品が届いてはじめて売上になります。
「物流会社から値上げを言われている」「人が不足していて、出荷件数制限されてしまう」というショップ様の不満の声もお伺いします。
物流現場も「人手不足」は切実な問題ではありますが、「パート従業員」の方々の底力でネット通販業界は支えられているという事も、ご理解いただければと思います。