決済

【連載第9回】 スマホの普及を受け「携帯キャリア決済」が拡大の兆し

スマートフォンやタブレットの利用者の拡大とともに、利用者の増加が期待されるのが「携帯キャリア決済」です。NTTドコモが「ドコモ ケータイ払い」、KDDIが「auかんたん決済」、ソフトバンクモバイルが「ソフトバンクまとめて支払い」を提供しています。
近年は、デジタルコンテンツに加え、物販での利用も伸長しており、さらなる成長が見込まれます。

物販での利用も年20~30%成長
「携帯キャリア決済」の5つのメリットは?

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「携帯キャリア決済」の概要(出典:KDDI)

昨今、消費者のWebでの消費行動が大きく変化していると言われています。たとえば、ランチの休憩中、通勤時の電車のなかでクレジットカードを出して決済するといった行為には抵抗があるかもしれません。その点、「携帯キャリア決済」を利用すれば、簡単に支払いが可能となります。

「携帯キャリア決済」は、デジタルコンテンツでの利用が中心に思われるかもしれません。確かに、まだまだ物販での利用は成長途上ですが、年々、20~30%の割合で伸びているそうです。また、都度課金だけではなく、飲食、健康食品、化粧品、新聞・雑誌の定期購読、日用消耗品などの分野において、「携帯キャリア決済」による継続課金が利用されるケースが増えると思われます。
携帯キャリアが提供する継続課金サービスでは、ユーザーが最初に課金の登録を行うだけで、次月以降自動的な定期課金を実施できます。

具体的なメリットは以下の4つが挙げられると考えます。

①本人確認の正確性

これは携帯キャリア最大の強みだと思われますが、利用者が携帯ショップに訪れてスマートフォンを申し込むケースが多いため、本人確認の流れができています。ソフトバンクモバイルは10万円、NTTドコモとKDDIは5万円までの上限金額が定められていますが、利用者の契約期間、利用状況から利用金額を調整しています。

②クレジットカードでは取り込めない利用者の開拓

今や、携帯電話を持っていない人を探すのは難しいほど、モバイルは我々の生活に定着しています。そのため、未成年など、クレジットカードを持てない層を取り込め、特に10代~30代の利用率向上に寄与するでしょう。

③顧客離脱の低減

まだまだ、クレジットカードに比べ、認知度は少なく、導入している加盟店も多くはありませんが、「携帯キャリア決済」ユーザーの多くは、一度使って利便性を実感すれば、再び利用する傾向が強いです。店舗にとっては、ID、パスワードや暗証番号でログインするだけで買い物ができるため、顧客の離脱やかご落ちを防ぐことができます。また、現金による課金の場合、口座振替やコンビニ払込票の回収業務、入金確認などの事務処理が必要となりますが、そういった課題を解決可能です。

④未回収リスクの回避

弊社の「NP後払い」同様に、キャリア決済の場合、未回収時の債権をキャリアが買い取るため、加盟店は未回収のリスクを回避可能です(プランによって異なる)。

⑤カード情報漏洩のリスクを回避可能

セキュリティの面では、カード情報の漏えいのリスクがないため、ECサイトは安心してサービスを提供可能です。本人確認の正確性を含めて、加盟店にとってはメリットがあると言えるでしょう。

「スマートログイン」「スマート決済」でソフトバンクの利用が拡大?決済手数料はクレジットカードよりも若干高め

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「スマートログイン」「スマート決済」により支払いのスピードアップを実現(出典:ログミー)

現状、「ドコモ ケータイ払い」、「auかんたん決済」の利用は順調に成長していますが、「ソフトバンクまとめて支払い」は伸びているものの、若干3キャリアの中では見劣りする状況となっています。ただ、今後の展開として期待されるのが、ソフトバンクモバイルとヤフーが発表した「スマートログイン」「スマート決済」です。

スマートログインでは、二回目以降の利用において、会員情報およびID・パスワードの入力不要で、「Yahoo! JAPAN」の各サービスに自動でログインが可能です。また、携帯電話料金とまとめて支払える決済方法を選択できるようにし、クレジットカード番号や口座番号などの決済情報の入力不要でネットショッピングを利用可能です。ユーザーにとっては、ワンクリックで支払いが可能なため、利便性が大幅に高まるものと思われます。まずは、「Yahoo!ショッピング」で利用可能となりますが、今後は他のサービスでの利用も想定していることから、その利便性を理解してもらえれば、他のサービスに広がる可能性もあります。今後は、他のキャリア決済でも同様のサービス開始に期待したいですね。

加盟店への導入については、大手の場合は各キャリアと直接契約する方法も考えられますが、中堅のネットショップの場合、決済処理事業者経由で導入したほうがスムーズです。すでに主要な決済処理事業者では、3キャリアの「携帯キャリア決済」をまとめて契約可能でき、導入後の決済管理や入金業務も一本化できるため、システム開発や事務工数の低減が図れます。

決済手数料については、現状、クレジットカードよりも高めとなっており、物販で5~10%、デジタルコンテンツが10~15%程となっていますが、各サイトの規模や取り扱う商材によって料金が異なります。

「携帯キャリア決済」にかかわらず、スマートフォンを利用した決済は今後、さらに拡大すると思われます。たとえば、先日の連載でも紹介したPayPalの日本での2015年の第一クオーターの取引のうち、51%がモバイル関連の取引だったように、スマートフォンで商品を購入する習慣はより身近になることは間違いありません。その際に、本人の確認がきちんとでき、日本の多くのユーザーにリーチできる「携帯キャリア決済」は、さらに重宝されると思われます。