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【連載第33回】連載EC決済のイマとミライ 日本で「Android Pay」がスタート、楽天ポイントカードと楽天Edyからサービスを開始

日本では、2016年10月からAppleのモバイル決済サービス「Apple Pay」が開始されましたが、12月13日からはGoogleの「Android Pay」がスタートしました。まずは楽天Edyに対応しましたが、アプリでのチェックアウトサービスの対応も期待されます。

米国の調査ではアプリの利用で「Apple Pay」を上回る

2015年5月にスタートしたGoogleの「Android Pay」は国際展開を図っているOSペイメントの1つと捉えることができます。「Android Pay」はAndroid OSを利用したサービスです。OSペイメントには、他に2014年10月に開始されたAppleの「Apple Pay」、2015年8月に韓国、9月にアメリカでリリースしたSamsungの「Samsung Pay」、2016年の6月にリリースしたMicrosoftの「Microsoft Wallet」が同義のサービスとして挙げられます。「Apple Pay」がiOS、「Android Pay」と「Samsung Pay」がAndroid、「Microsoft Wallet」がWindows10に対応しています。

世界ではさまざまなモバイル決済サービスが展開されています。たとえば、独自店舗のウォレットサービスとして、コーヒーショップチェーンのStarbucks(スターバックス)などのバーコードを活用したモバイル決済サービスが展開されています。日本でもスターバックスのモバイル決済サービスは従来のFeliCaを活用したサービスに加え、バーコード対応も始まりました。「Android Pay」では、これらのサービスを1つのウォレットに集約する動きが期待できます。

現在、「Android Pay」はアメリカのほか、イギリスやシンガポールなどでサービスが提供されています。「Android Pay」の成り立ちとして、2011年5月にアメリカでNFCによるモバイル決済サービス「Google Wallet」を提供していたGoogleが、2015年5月に店舗とアプリの決済、ロイヤリティプログラムなどに対応したサービスを発表しました。「Google Wallet」は国際ブランドとしてMastercardとの提携のみであり、当時は非接触インフラもそれほど整っていないため、普及しませんでした。

2015年9月にまずアメリカでサービスを開始した「Android Pay」では、VisaやMastercard、American Express、Discoverの主要国際ブランドのデビットカード、クレジットカード、プリペイドカード等を登録可能としました。また、ロイヤリティプログラムとしては、コカ・コーラの自販機において「Android Pay」のNFCモバイル決済で代金を支払うと「My Coke Rewardsポイント」が貯まります。利用者は、商品ごとに設定されたポイントを集め、獲得した特典ポイント数に応じて、コカ・コーラグッズやデジタルコンテンツのゲット、学校への寄付、コカ・コーラがオフィシャルスポンサーとなっている五輪のアメリカ選手団への寄付などが可能となっています。

また、AndroidのOSである「Android M」からは、「Apple Pay」の「Touch(タッチID)」のような指紋認証機能が搭載されており、よりセキュリティを強化できるとしています。さらに、「Android Pay」は、Androidアプリの開発者がアプリの開発をサポートするAPI (アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を提供しているのも特徴です。

Statistaの調査によると、2016年2月時におけるアメリカのモバイル財布アプリの利用として、「Android Pay」が18%と最も多く、次いでスターバックスなどの流通店舗のモバイルアプリの12%、 Apple Payの11%と続いています。

日本では世界9カ国目の展開

世界9カ国目の展開となる日本での「Android Pay」では、まず楽天の「楽天ポイントカード」、電子マネー「楽天Edy」を提供する楽天 Edy との提携により、国内のビックカメラ、ファミリーマート、ローソン、マクドナルド、ヨドバシカメラなど、国内 47 万以上の楽天 Edy 対応店舗で 「Android Pay」による支払いが利用可能です。「楽天ポイントカード」は、加盟店での会計時に楽天グループの各種サービスで利用できる「楽天スーパーポイント」を貯められ、同ポイントでの支払いができるサービスです。一方、楽天Edyは、2011年1月から「おサイフケータイ」搭載のAndroid版「楽天Edyアプリ」を提供しており、累計発行枚数は1億90万枚となっています。

「Android Pay」を利用するには、Google Playストアから対応 Androidスマートフォン(Android 4.4 Kitkat 以上)にアプリをダウンロードし、直接アプリから対応している電子マネーを追加できます。すでにモバイル楽天 Edy を利用している場合には、手持ちのアカウントを「Android Pay」に連携可能です。「Android Pay」からの入金は、その場でアプリからクレジットカードもしくは楽天 Edy 対応店舗での直接入金の両方に対応しています。

「楽天Edy」においては、「Android Pay」で支払いができるだけでなく、楽天Edyの残高照会や利用履歴の確認、楽天スーパーポイントの設定も可能です。「Android Pay」では、Googleアカウントに登録されているクレジットカードからチャージ(入金)できるため、設定時に新たにクレジットカード情報を登録する必要がないのも特徴です。

今後は、随時対応するマネーも増えると思われます。Googleのブログによると、2017 年には、モバイルFeliCaのライセンス管理を行うフェリカネットワークスとの連携により対応する電子マネーの種類も増える予定とのこと。また、三菱東京UFJ銀行、Visa、Mastercardなどの企業との協力により、お気に入りのアプリからの「Android Pay」チェックアウトなどの提供を予定しているそうです。

流通系電子マネーなど「Apple Pay」よりも幅広いサービスに対応

Apple Payでは、交通系電子マネーの「Suica」、プリペイド/ポストペイに対応した「iD/QUICPay」に対応していますが、Android Payでは今後、流通系電子マネーや流通系のバーコード決済など、より幅広いサービスに対応していくと思われます。また、「Apple Pay」ではインターネット決済に対応したeコマースサイトも増えていますが、「Android Pay」でも同様にそうしたサービスも行われると思われます。

普及に向けては、ユーザーがさまざまなアプリを「Android Pay」に搭載し、日々の生活の中で利用してもらうことで、如何に飽きさせないサービスとなるかが鍵になるでしょう。

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「Android Pay」によりユーザーは、楽天グループで提供する共通ポイントと電子マネーを一元管理できる