「代金引換」とは、商品が顧客に到着したタイミングで宅配業者に現金を渡し、商品と引き換える決済方法です。
今回は、代金引換の概要や、決済方法として代金引換を導入するメリットについてご紹介します。
また、代金引換業者を選定するポイントについてもご紹介しますので、少しでもコストを削減したい、もしくは手間のない決済を行いたいとお考えの事業者の方は参考にしてださい。
購入者が代金引換(代引き)を利用するメリット
まずは、購入者の代金引換の利用メリットから紹介していきましょう。
代金引換による決済では、顧客は商品の到着を確認してから支払うことができます。支払い後に商品が届かないリスクを回避できるため、非常に安心感のある決済といえます。
また、ECサイトでの注文時に入力する項目が少ないのもメリットです。特に、クレジットカード情報を入力する必要がない点は、セキュリティ面を気にする顧客にとっては大きな安心感につながるでしょう。
差出人・ECサイトが代金引換(代引き)を採用するメリットとデメリット
続いて、商品の差出人、ECサイトは代金引換を導入することによって、どのようなメリット・デメリットがあるのか、紹介したいと思います。
最たるメリットは、宅配業者による集金代行で、顧客の商品持ち逃げリスクを回避できる点です。また、同様の理由で入金確認も不要となります。
一方で、代引き手数料による収益圧迫は無視できません。また、顧客に商品を受け取り拒否された場合は、送料・手数料が返金されず無駄になってしまう可能性もあります。これらの点は、代金引換のデメリットと言えるでしょう。
代金引換(代引き)の専用用紙に記載する情報
では実際に代金引換で決済を行いたいと考えた場合、どのようにすればいいのでしょうか?
代表的な代金引換業者である日本郵便の「代金引換ゆうパック・電信払込用」では、専用の用紙に以下のような情報を記載します。
- 銀行の口座番号:商品代金を受け取り先として口座番号と口座の名義の記載が必要です。
- 引換金額に含む消費税額:今回の取引において発生する消費税額を記載します。
- 送金額:下述する引換金額から印紙代を差し引いた金額を記載しますが、引換金額が5万円未満の場合は引換金額をそのまま記述します。
- 引換金額:顧客が今回の取引で支払う金額を記入します。
- 印紙代:5万円以上の取引では印紙が必要となります。必要となる印紙代は、5万円以上100万円以下の取引で200円、100万円以上の取引では400円です。
- 顧客・販売者の氏名・電話番号:顧客・販売者それぞれの氏名・電話番号が必要です。
代金引換業者選定時のポイント
代金引換は前述のように、専用の用紙を使用すれば、すぐに利用可能ですが、決済にかかってくるコストを少しでも削減したい方や、ストレスの少ない代金引換による決済を行いたい方は、代金引換業者と契約することも視野に入れてみてください。
ここでは、その際の業者選定のポイントをご紹介します。
手数料
日本郵便では代金引換の手数料を260円と定めています。他には、引換金額に応じた手数料を設定している業者が一般的です。
振込周期
引換金額を迅速に回収したい場合は、業者ごとの振込周期の違いにも留意する必要があります。例として、日本郵便では毎月5日、10日、15日、20日、25日、月末を締め日として、締め日から5日後、もしくは10日後の振込サイクルを用意しています。業者によっては利用事業所からの振込周期変更の相談に応じている場合もあります。
引換金上限
業者によっては、代金引換の引換金額に上限を定めています。例えば、日本郵便の場合は引換金の上限を200万円に定めています。また、引換金額が30万円を超える場合には、日本郵便が提供する有料のセキュリティサービスが必要となります。ですから、高額の商品を取り扱っている場合は注意が必要です。
販売機会最大化のために代金引換の導入を
昨今ではさまざまな決済サービスがECサイトにおいて導入されています。Web上の処理で完結するものなど、便利なサービスばかりです。一方で、代金引換も上述したようなメリットがあり、特定の層の顧客から依然としてニーズがあります。
販売機会を最大化するためには、未だ欠かすことのできない決済方法と言えそうです。上述した業者の選び方に留意して、代金引換を導入すれば、損失を抑えたスムーズな取引を実現できるでしょう。