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【連載第回】 ネットショップは代引き時、領収書を発行すべき?

代引き(代金引換)による支払いで、購入者から領収書の発行を求められたとき、ECサイトは領収書を用意する義務はありません。これは、運送会社の受領書が、領収書の役割を兼ねているからです。

今回は、代引き時の領収書の取り扱いや、再発行依頼を受けた時の適切な対応方法、トラブル防止のための事前対策についてご紹介していきます。

代引き時の領収書の扱いについて

たとえば、お客様の中には

「会社の備品をネットショップで購入したので、領収書を発行して欲しい」

とおっしゃる方もいらっしゃるでしょう。これは、多くの会社で領収書が経費計上の際に必要となるためです。

クレジットカードの場合であれば、商品に領収書を同封することも可能です。また、決済確定時に、領収書をメールに添付する方法も考えられます。データベースで顧客情報管理ができているのであれば、マイページ等から注文履歴をお客様に参照していただき、領収書をデータでダウンロードしてもらえるサービスを用意するのもひとつの手です。

しかし、支払い方法が「代引き」の場合、ECサイトは領収書を発行できません。その理由は前述の通り、運送会社からお客様へと渡される控えが、領収書になっているからです。もしもECサイト側が領収書を送ると、これは二重発行となってしまいます。

なお、領収書は税務上の証憑書類となり、複数発行するのは不正使用につながる可能性があります。架空取引の温床となってしまったり、余分な経費計上が行われたりするケースもありますので、再発行の際には十分注意しなくてはなりません。

代引きでの購入代金が5万円(税別)以上の場合における収入印紙代金の扱い

通常、商品代金が5万円を超える取引を行った場合には、領収書に収入印紙を貼らなくてはなりません。ただし、代引きの場合には、集金を代行した運送会社が印紙代を立て替えてくれるため、ECサイトへと売上が送金されてくるタイミングで、印紙代金が差し引かれる仕組みとなっています。

お客様に渡される受領書には「印紙税申告納付〇〇税務署承認済」と記載され、これが納税の証明になります。収入印紙代の説明をお客様から求められた場合には、その旨を伝えれば、問題ありません。

それでも代引き時の領収書発行を求めるケースについて

前項の説明を行ったとしても、お客様の中には納得ができず、再度領収書発行を求めてくる方がいらっしゃいます。理由としては以下のものが考えられます。

  • 収入印紙のない領収書は認められないと会社側から言われてしまった
  • 購入店の印が入った領収書が必要だと会社側から言われてしまった
  • 宛名や但し書きを変更する必要がある

この場合には、以下の手順に沿って領収書の再発行を検討しましょう。

1.代引きの受領書の送付依頼

お客様に求められるまま領収書を作成・郵送すると、領収書の二重発行となってしまいます。それを防ぐために、まずは運送会社からお客様へ渡されている受領書を送付してもらうようお願いしましょう。

2.メモのご用意をお願いする

もしも領収書の宛名や但し書きに変更を加えなくてはならない場合は、その内容を書いたメモ等を同封してもらう必要があります。なお、間違いがないように、氏名、電話番号、注文番号、購入金額、送付先の住所等の情報についても、正確に記載してもらうようお願いしましょう。

3.領収書の発行・送付

代引きの受領書とメモが届いたら、それに従い領収書を発行します。なお、ECサイト側に届いた受領書については適切に処分してください。また、代金が5万円を超えるものについては再度、収入印紙の貼付が必要となりますので、ご注意ください。

クレームおよび代引き時の領収書再発行を防ぐための方法

前項の方法はあくまでもイレギュラーな対応であり、基本的には代引き時に領収書を再発行する必要はありません。しかし、場合によってはお客様とのトラブルに発展し、ECサイトの信用を失う可能性もあります。こうした場合に備えて、事前の対策をおすすめします。

サイト上へ「代引き時の領収書発行に関する注意」を記載

例として、以下のような文章をサイト上に記載しましょう。

代金引き替え払い時の領収書については、原則弊社での発行は行いません。配送業者が配達時にお渡しする「代金引換領収書」を利用してください。

なお、5万円以上の商品ご購入時に必要な収入印紙代については、配送業者経由で支払いがなされており、領収書としての効力がございます。

また、収入印紙添付の代わりとして、「印紙税申告納付〇〇税務署承認済」が記載されている場合があります。

また、宛名・但し書きの変更や、弊社印の入った領収書が必要なお客様につきましては、大変お手数ではございますがその旨をご連絡ください。

なお、この場合、領収書再発行の手数料を頂戴する場合がございますので、あらかじめご了承ください。

このように、ECサイト側の対応を明記することによって、トラブルの防止につながります。

まとめ

実店舗と違い、ECサイトには領収書発行に関する問題がいくつか存在します。中でも代引き(代金引換)のケースでは、今回ご紹介したようなトラブルが発生する可能性も否定できません。

余計なトラブルに巻き込まれないためにも、事前に領収書の取り扱いに関する情報をサイト上に明記すること。それでも、お客様からご相談を受けた場合には、上記を参考にして、適切な対応を心がけてください。