決済

【連載第32回】 サイトにクレジットカード決済を導入する際、知っておくべきコト

ECサイトのユーザーにとって、すでにクレジットカード決済は“できて当たり前”。これを選べないとなると、販売機会の喪失につながるのは目に見えています。

ミック経済研究所が発行する「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望(2017年度版)」によると、ECサイトにおける決済利用比率でクレジットカードは約7割を占めており、断トツの一位になっています。

一方、その重要性を知りつつも、詳しい導入方法について知らなかったり、決済代行会社の活用方法を把握していなかったりして、導入をためらっているECサイト運営者の方も多いかもしれません。

そこで今回は、クレジットカード決済導入の具体的な方法や、導入の前に知っておくべきいくつかのポイントをまとめて紹介します。

クレジットカード決済の導入と費用

クレジットカード決済を導入するには、

  • クレジットカード会社と直接契約する
  • 決済代行会社を利用する

という2つの選択肢があります。手間などを考えた場合、おすすめなのは「決済代行会社を利用する」ことです。その理由を簡単に説明します。

カード会社との直接契約におけるハードル

クレジットカード決済の導入を考えた場合、多くの方がはじめに思いつくのが「クレジットカード会社との直接契約」ではないでしょうか? もちろん、それは間違いではありませんが、実は高いハードルがあるのも事実です。

クレジットカードを発行している会社と直接契約するためには、個人・法人にかかわらず審査を通過しなくてはなりません。この際には、企業規模や業績、経営状態、売上実績などについてチェックを受ける必要があります。

なお、審査基準についても業種によっては通りにくいものも。たとえば、一般的にエステ系や教育系の店舗は、審査が通りにくいと言われています。加えて、手続きも煩雑なことから、契約のハードルは高いと考えられています。

【おすすめ】決済代行会社の仕組みと必要な費用

事業者とクレジットカード会社の間に入り、決済業務を代行するのが決済代行会社です。こちらを利用してクレジットカード決済を導入すれば、直接契約のように煩雑な手続きを踏む必要はなくなるので、おすすめです。

なお、クレジットカード決済を導入する場合、「加盟店手数料」と呼ばれる手数料をクレジットカード会社に対して払わなければなりません。これは決済代行会社を利用する場合も同様です。加盟店手数料の支払い義務は、ECサイト、実店鋪といった店舗の形態を問わず、全てのクレジット決済を導入している事業者が負うことになります。

手数料についての詳細は、「主流のクレジットカード決済!知っておくべき手数料など」の記事を参考にしてみてください。

決済代行会社との契約で得られる3つのメリット

前項でも触れたとおり、クレジットカードの導入は直接契約と決済代行会社利用の2種類があります。シンプルに考えるとクレジットカード会社と直接契約した方が、中間マージン等もかからずお得に見えますが、実際はどうなのでしょうか?

両者を詳しく比較しつつ、決済代行会社のメリットを見ていきましょう。

【1】複数のカード会社を利用可能

たとえば、JCBとクレジットカード決済に関する直接契約を結べれば、サイト内でJCBのクレジットカードの利用が開始できるようになります。しかし、世の中にはVISAやMasterCardなど、その他にもさまざまなクレジットカード会社が存在しています。これに対応するためには、各社とそれぞれに個別契約を結ばなくてはなりません。

一方、決済代行会社の場合はすでに各クレジットカード会社との契約が済んでいるため、ひとつの契約で複数のクレジットカード会社が利用可能になります。審査の手間や時間を省ける他、支払いの選択肢の幅広い確保に役立ちます。

【2】システムの開発のコストを削減できる

クレジットカード会社を直接契約する場合は、それぞれに応じた独自決済システムを開発しなければなりません。高度なセキュリティ対策が組まれたシステムは開発・運営に大きな手間とコストがかかるでしょう。また、決済手数料も割高になる可能性が高いです。

さらに、複数のクレジットカード会社と契約した場合には、会社ごとに決済システムを開発・運用しなくてはならず、初期コストもランニングコストも膨大になると見込まれます。

決済代行会社との契約の場合には、すでに運用済みのシステムを利用できるので、開発にかかる費用も心配ありません。また、複数のクレジットカード会社を利用する場合にもシステムが一元化されているので、スムーズな運用が期待できます。

【3】運用面でもさまざまなメリットが

複数のクレジットカード会社と直接契約をした場合、入金サイクルの違いで手続きが煩雑になる可能性があります。クレジットカード会社ごとに締め支払いの管理や事務処理などを行うとなると、それだけでも人件費といったコストがかかるでしょう。

決済代行会社を利用すれば入金が一元化されますので、こういった経理業務の負担は大幅に軽減されるでしょう。

また、決済代行会社ではクレジットカード決済以外にもさまざまな決済手段を取り扱っていますので、あらゆる販売機会をカバーできます。契約した決済代行会社が展開しているコンビニ決済や電子マネーなど、近年注目の支払い方法をECサイトに追加すれば、より幅広い顧客層の取り込みにつながるでしょう。

どういった決済代行会社を選ぶべき?

決済代行会社の利用に多くのメリットがあることはお分かりいただけたかと思います。しかし、現在は、多数の決済代行会社が存在しており、どの会社を選べばいいのかは悩ましいところです。一般的な決済代行会社の選定基準を以下にまとめました。

セキュリティ対策は十分か

個人情報保護の重要性が騒がれる昨今、セキュリティ対策の充実度は決済代行会社を選ぶ上で、最も優先度が高い基準と言えるでしょう。不正アクセスや不正利用に対する対策をしっかり行っているかは、契約する決済代行会社を決める前に、よく確認しましょう。

決済管理ツールの使いやすさ

決済代行会社を利用するメリットのひとつは、決済管理が楽になることです。しかし、決済代行会社が採用している決済管理ツールが使いづらければ、その限りではありません。可能であれば、事前に決済管理ツールの使用感は確かめておきたいところです。

クレジットカード決済以外の対応状況

クレジットカード決済は、現在最も普及している決済手段ですが、他の決済手段へのニーズがなくなったわけではありません。また、今後も新たな決済手段が出てくる可能性もあります。

販売機会の最大化を狙うのであれば、他の決済手段もカバーする必要がありますが、いちいちサイトに導入するのは時間と手間がかかります。そこで、できれば導入初期の時点で、多くの決済手段に対応している決済代行会社を選ぶようにしましょう。

これまで述べてきた通り、多くのメリットがあることから、特別な理由がない限り決済代行会社を利用してクレジットカード決済を導入することをおすすめします。

なお、決済代行会社選びの際には、上述したようなポイントにお気をつけください。