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  • 連載第4回
  • 2015/3/3

Amazonヘビーユーズから独自ECへのヒントを考える

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まずはユーザー視点で あなたは楽天派?それともAmazon派?

ネットショッピングを利用している人なら、様々な独自ECやアパレル系サイトを利用しつつも、メインとなるお買い物場所は、楽天市場かAmazon.co.jpのどちらかになっているのではないでしょうか。

ちなみに私は、編集者という職業柄もあり、ネット通販を頻繁に使うようになったのは、本を買うためでした。なので、Amazonから始まったと言っていいと思います。そして今では、本以外の商品はもちろん、KindleやAmazon Musicなど、デジタルコンテンツにかかわる周辺サービスも使うという、ヘビーユーザーになっています。

購入頻度が上がるほど、気になるのが配送ですよね。無料で試したらやめられなくなり、ばっちりプライム会員です。先日、同じ業界の記者さんと「Amazonプライムの年会費がいくらまでだったら払うか」という話になったのですが、私は「1万円なら払う」と即答でした。その場では驚かれたのですが、ヘビーユーザーにはわかってもらえると思います。

このように、商品数と配送サービスを突き詰めることによって、ユーザーの心をがっちりつかみました。2014年第4四半期決算のプレスリリースでも、ジェフ・ベゾスの発言として「今後もプライム会員向けのサービスを充実させていく」といったことが書かれていましたので、これからも充実していくのでしょう。

私が考え付きもしない「便利」が、未来にはあるのかもしれません。この先も、いい意味で驚かせてもらえる。そんな期待を持ってしまうのが、Amazonですよね。

Amazonから、日本のメーカーや独自ECへのヒントを考える

さて、そうやってAmazonをヘビーユーズしつつも、日本のメーカーや独自ドメインのEC事業者さんたちがどうしたらいいかも、日々考えてはいます。この機会に、まとめてみました。

1.メーカーなら出品して「集客力」を活用する

老舗のメーカーさんはもちろん、ダンボーのモバイルバッテリーで知られるcheeroさんや、おしゃれなLED電球「Siphon」のビートソニックさんなど、ベンチャーのメーカーさんが着々とAmazonでのサクセスストーリーを築いているようです。

独自色があり、かつ、Amazonのユーザーに合うような商品を作っているなら、圧倒的な集客力を活用するために出品するという選択肢はあると思います。ただし、某有名通販企業さんの商品がAmazonで買えないように、自社で集客して売る自信があるなら、囲い込むべきでしょう。どちらを選択するかは、ご自身の判断です。

一方で、クラフトビールで有名なヤッホーブルーイングさんは、Amazon限定のオリジナル商品「月面画報」を開発して注目を集めましたね。声がかかってAmazonとのコラボ商品を開発することになれば、Amazonファンを獲得できるほか、ネット通販で新たな展開も見えそうです。

ただしAmazonは「1商品1ページ」であり、フォーマット以上の情報を伝えることはできません。Amazonに出品するにしても、コーポレートサイトや独自サイトでぜひ、商品開発の思いやメーカーさんの顔を出していってほしいと思います。

2.よほどの小売業者以外はAmazonでは売らない

この業界にいると、「Amazonには勝てない」なんて言葉も聞きますが、それは商品数を多く揃えて、最安値で提供するというビジネスモデルのEC事業者さんの話だと思います。でもこれ、リアルな商店街の小売店さんでも、何十年前かにあった話ですよね。

よく知られているとおり、Amazonはデータをフル活用し、売れている商品を見つけると、自社で仕入れて販売します。プラットフォームとしてデータが見られること、PDCAサイクルの回転が早いこと、大量に仕入れて倉庫に保管できる資本力などを考えると、同じ商品を扱う小売業者さんは、「Amazonには勝てない」となるはずです。

ただし、その商品に関して独占的な販売権を持っている、そのカテゴリや商品に関する専門知識や販売ノウハウを持ち、Amazonのデータ分析以上のPDCAが回せる、目利き力があり「せどり」等で稼げる(個人規模か)など、巨大なAmazonに鋭く切り込める「武器」を持つ小売業者なら、活躍できると思います。そういう方々はもちろんいるのですが、メディアに顔を出したりせず、静かに確実に売って、稼いでいらっしゃるのでしょう。

3.「指名買い」以外のECのカタチを探る

いきなりですが、今、一生使えるようなカッターナイフが欲しいのですが、どこで買ったらいいのか途方にくれています。GoogleやAmazonで「カッター」と検索すると大量に出てきてしまいますし、「一生もの」「高級」といったワードを加えても、いまいちピンと来ません。

そうなると、実店舗のおしゃれな文房具屋さんか雑貨屋さんに行くか、という発想になります。こういうお店が、ネット上にもあったらいいなと思うのです。つまり、商品で検索してたどりつくのではなく、「□□さんに聞きにいこう」とお店が脳内に浮かぶという流れですね。

ユーザー目線で考えると、そういうネットショップをいくつ知ってるかが、ある1種の人生の豊かさを示しているように思います。リア充と言いますか。「指名買い」がAmazonによってほぼ完成形に近づきつつあることもあり、別のカタチでのネットショッピングへのニーズが高まっているのを感じます。

まとめ

以上見てきたとおり、Amazonはすごいのですが、活用する・しない問わず、日本のメーカーやEC事業者にもやれることはあります(「人ごとだと思って簡単に言いやがって」と思われるかもしれませんが、電子書籍はじめいろいろと出てきて、出版社である当社も進化を求められ、産みの苦しみを味わっております)。

黒船来航により、日本は江戸から明治へと変わりました。すべてが良い変化だったとは言えないかもしれませんが、進化し、危機を乗り越えたわけです。Amazonの登場もそれを促していますし、今後もそれは繰り返されていくのでしょう。悩みはつきませんが、進化の先を見届けるため、お互い頑張っていきましょう。