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  • 連載第3回
  • 2015/4/1

「au WALLET」と違った「ソフトバンクカード」の特長は?

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近年、発行が増加するブランドのプリペイドカード。KDDIの「au WALLET」に続き、ソフトバンクからも「ソフトバンクカード」が登場しました。「au WALLET」は1,000万人の申込者を達成するなど、auユーザーに対しての全方位的なカードとなっていますが、「ソフトバンクカード」はまた違った戦略があるようです。

「ソフトバンクカード」は20代がターゲット

「ソフトバンクカード」の発行対象は、ソフトバンク3G携帯電話、または、スマートフォンを利用する満12歳以上となり、チャージ金額は最大100万円まで、有効期限は1年間となっています。

報道によると、新カード発行の経緯として、国内で非正規雇用の増加に伴い、年収が減少傾向にあることが挙げられています。特に、クレジットカードの保有率は年々低下しており、20代に至っては7割程度まで減少しているというデータもあるそうです。「ソフトバンクカード」は審査不要で誰でも持てる点がキーワードとなり、ターゲットは20代のクレジットカードを持たない人、もしくは持っているが積極的に使わない人等と明確です。これは、カードイシュア(発行者)のソフトバンク・ペイメント・サービスが資本参画するワイジェイカードが4月1日から新カードを発行することから、商品として差別化していると考えられます。

「au WALLET」同様に、「ソフトバンクカード」は国際ブランドVisaのネットワークを活用しており、国内・海外あわせて3,810万店のVisa加盟店での支払いに利用できます。携帯キャリアが展開する国際ブランドプリペイドは、当初、NTTドコモがVisaと提携した「ドコモ口座Visaプリペイド」をいち早くスタートしました。しかし、消費者にとってなじみのある商品でなく、ネットショッピングのみの利用となるため、利用は限定的となっています。KDDIでは、実際にカードを発行し、プリペイドカードではなく“電子マネー”として「au WALLET」を打ち出すことで、消費者への認知は進みました。「ソフトバンクカード」もリアルとネット双方で利用できる点は同じですが、「au WALLET」のように枚数をさばくのではなく、ターゲットを絞って発行していくと思われます。

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「ソフトバンクカード」は2種類のカードを発行

(出典)http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2015/20150218_01/

生活者に最も浸透するポイント「Tポイント」と連携

「au WALLET」は、自社でポイントアップ店を開拓していましたが、「ソフトバンクカード」はすでに提携企業数122社、提携店舗数29万7,833店舗を誇るTポイントが貯まるサービスであることは大きな強みとなるでしょう。

Visa加盟店での支払い額200円(税込)ごとにTポイントが1ポイント貯まり、貯めたTポイントは、Tポイント提携先で1ポイント=1円で使えるほか、「ソフトバンクカード」にチャージして「バリュー」にすることでVisa加盟店でも使用できます。Tポイントはリアル店舗におけるポイントサービスとして、最も消費者への認知が進んでいるプログラムとなります。今回、「バリュー」が自動的にチャージされる無料のオプションサービス「おまかせチャージ」を利用すれば、Tポイントの付与率が通常の2倍になり、Visa加盟店での支払い額100円(税込)ごとに1ポイント貯まるメリットもあります。

多彩なチャージ方法を提供

チャージ方法は、①「Tポイントでチャージ」、②「銀行振込チャージ」、③「口座振替チャージ」、④「ソフトバンクまとめて支払いチャージ」、⑤「キャッシング支払い」の5つを提供。また、オプションで⑥「おまかせチャージ」も用意していますが、これは、事前にチャージすることなく支払い時に利用代金同額の「バリュー」が自動的にチャージされる方法となり、消費者にとっては非常に便利です。

また、「ソフトバンクカード」は、「現金バリュー」と「プリペイドバリュー」の2種類に分かれ、②「銀行振込チャージ」、③「口座振替チャージ」、⑤「キャッシング支払い」は「現金バリュー」、①「Tポイントでチャージ」、④「ソフトバンクまとめて支払いチャージ」、⑥「おまかせチャージ」はプリペイドバリューとなります。「プリペイドバリュー」の場合、1回あたり(月5回まで)の上限額1万円まで、家族や友人などの「ソフトバンクカード」に「プリペイドバリュー」を譲渡することが可能です。一方、「現金バリュー」は、My SoftBankにて1回あたり(月2回まで)の上限額は2万5,000円まで、金融機関口座を入力することで送金が可能です。

恐らく送金機能については、当初の利用は限定的になると思われますが、「LINE PAY」をはじめ、個人間送金が便利に利用できると若年層に理解されれば、将来的に受け入れられる可能性もあるでしょう。

ブランドプリペイドのビジネスは、消費者の利用がコンビニエンスストアやドラッグストアなどが中心となります。そのため、少額決済が多くなり、手数料も薄利なため、決して携帯キャリアにとっての収益性は高くはないと思われます。ソフトバンクとしては、「ソフトバンクカード」そのものの収益性を期待するというよりも、若年層に便利なサービスを提供することで、熾烈を極める回線契約につなげる狙いであると考えられます。

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「ソフトバンクカード」のサービスの全体概要

(出典)http://www.softbank.jp/corp/group/sbm/news/press/2015/20150218_01/

著者紹介

秋山 恭平
  • 株式会社ネットプロテクションズ
  • マーケティング部
  • マネージャー
  • bnr_air
  • bnr_atobarai
  • bnr_frex

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