• 決済
  • 連載第3回
  • 2015/5/18

東南アジアでのオンライン決済準備状況は?(前編)

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第一回目の記事ではeコマースが今後アジアで発展していくための条件を俯瞰的に見る内容でしたが、第二回目となる今回は「決済」にフォーカスした記事をピックアップします。国によって異なる決済インフラ状況をお伝えします。

フィリピンはモバイル決済で東南アジアをリードしている

急速な経済発展、若年層、低価格のスマートフォンとタブレットが、東南アジア全体でハイテクに精通した世代を生み出している。

グルーポン、eBay、ロケットインターネット、リビングソーシャルのような主要なeコマース企業はすでに東南アジアに進出しており、この市場に多額の投資を行っている。東南アジアのeコマース普及率増加に伴い、PayPalなどのグローバルな決済企業もこの地域へ投資している。

しかし、彼らがそうするようにMOL(マレーシア)や2C2P(タイ)などの多くのローカルプレイヤーも台頭しており、激しい競争にさらされている。MOLは年間取扱数6,000万、年間売上高3億USDを超え、今や東南アジアで最大の決済会社のひとつである。2C2Pはより小規模のタイ拠点の決済会社だが、既にその他7つ以上の地域のマーケットに事業所設立や事業拡大を行った。

業界のポテンシャルは明らかだが、それぞれの国の文化や規制の違いを理解することなくこれらの市場に突入することに、IT投資家とグローバルな決済事業者は慎重でなければならない。そして、それは取引業者と消費者に影響を及ぼす。

例えば、マレーシア人はウェブ決済を好むが、フィリピン人はモバイル決済を強く求めている。

オーダーメイドの戦略、つまり各市場個別の発展段階、技術、インフラ、消費者の嗜好、及び規制環境を考慮することは、地域ごとの青写真アプローチよりはるかに優れている。

インターネット、モバイルネットワーク、銀行取引

オンライン決済を促進するために必要な3つの主要なインフラは、インターネットアクセスの容易さ、モバイル利用状況、銀行取引の普及である。

インターネット接続の容易さ

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*本グラフのインターネット普及率(Internet Penetration)とは、インターネットを利用できる特定の国や地域を対象とした、総人口に対するインターネット普及率を示すSource:Internet WorldStats,2012
**ID:インドネシア, MY:マレーシア, PH:フィリピン, SG:シンガポール, TH:タイ, VN:ベトナム

インターネットアクセスはオンライン決済増加のベースとなる。東南アジア最大の経済国である6ヶ国は、オンライン人口のホームであり、インターネット利用者は合計で1.6億人を超える。これは28%のインターネット普及率を表している。シンガポールは75%のインターネット普及率で地域をリード、インドネシアは22%で最低の普及率だ。

対象となった全市場において、都市部のインターネット普及率は農村部よりも高い。例えばベトナム全土の普及率が34%なのに対し、ベトナムの2大都市の普及率は50%以上である。

モバイル利用状況

オンライン決済オプション拡大のために重要であり、業界の未来そのものと言っても過言ではない携帯電話は広く東南アジア全域で使用されている。優れたモバイルネットワークの使用範囲に加えて、携帯電話登録数は100人の住民に対し100を超える登録があることも多く、デュアルSIMや複数デバイスを利用するユーザーの存在を広く示している。100人に対し11登録のミャンマーは例外だが、シンガポールでは100人に対し153登録である。

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第2回の記事として「決済」をテーマに選んだ。本レポートではeコマース決済を理解するポイントとして「インターネット」、「モバイルネットワーク」、「銀行取引」の3点を挙げている。中でも重要なのは「モバイルネットワーク」だろう。次回以降の内容で触れるが、銀行取引が普及していない東南アジアでは、モバイルの普及が電子決済の大きな鍵となり得る。詳細は次回以降の記事にて紹介する。