• 越境EC
  • 連載第1回
  • 2015/7/17

ベトナムにおけるEC市場の現状【前編】

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昨今、世界のインターネットの普及率の向上とともに、ベトナムにおけるインターネット利用者数も劇的に増加しています。2014年の統計データによると、ベトナムのインターネット普及率は42.97%で、利用者数は3977万人おり、世界第15位になっています。2013年の利用者数は3659万人で、この1年間で9%増えており、今後も急激に増加すると見込まれています(※1)。ベトナムでは、インターネットの普及に伴い、インターネットで買い物をする人も増えてきています。

しかし、ベトナムのEC市場は、物販市場全体でみると、たった1-3%に留まっています。これは、EC事業を持つ企業にとっては、多くのチャンスがあるということだと、様々な経営者が述べています(※2)。そこで、現在注目されているベトナムのEC業界について、二回にわたりお伝えしていきます。第一回目となる今回は、全体感を説明するためにベトナムのEC業界についてお伝えしていきたいと思います。

マーケティングリサーチを行っているComScoreの調査によると、ベトナムのECサイトでユニークユーザー数(以下、UU)の数がトップ5に入るサイトは、上からVatgia.com, Lazada.vn, 5giay.vn, Enbac.com, Thegioididong.comの5つです。上位4サイトはECモールですが、5位のThegioididong.comは電化製品を専門で取り扱っていて、リアル店舗も所有しています。そして、東南アジアの他国のEC事情と異なる点は、第2位のLazada.vn以外は全て国内企業であるという事です。

国内企業

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UU数1位のECモールであるVatgia.comを運営しているのは、株式会社Vat gia Viet Nam(ベトナム価格)です。Vat gia Viet Namは2007年に設立され、8年間で加盟店数を2万店舗まで拡大し、年間取扱高は約167億円程度にも達します(※2)。社長のグエン・ゴック・ディエプ氏は日本の大学院を中退後、楽天のビジネスを参考にベトナムに適応するよう調整し、Vatgia.comを立ち上げました。

Vatgia.comの他に業界別や地方別など特徴をもったECモールも数多くあります。ベトナムでは、自社運営EC企業はThegioididong.com以外はほとんどが小規模で、ECモールに連携するのが一般的です。

株式会社Vat gia Viet Namを始めとする多くのベトナム国内ECモール企業の特徴は、資金力が弱いところがある一方、現地の文化と市場の特徴をきちんと理解したうえで運営を行っている点と、コストが安く、若くて優秀な人材が豊富にいる点にあります。

国外企業

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2位のLazada.vnは、ITやマーケティング支援、投資活動を行っているドイツのRocket Internet株式会社の子会社です。親会社からの出資があるため、他のベトナム系企業より豊かな資金を持つ点に強みがあります。しかし、Vatgia.vnと比較すると、店舗数1500店舗と年間取扱高29億円(※2)と、数字の場面でまだまだ小規模です。

Rocket Internetと異なる方法で、最近楽天も東南アジアに進出しています。2009年にタイのTARAD.comの株を67%買収することをはじめ、インドネシアのGlobal Mediacomと連携して楽天BelanjaオンラインというECサイトを開設しました(※3)。楽天はゼロから起業するより、現地企業と協力する方向で新たな市場に進出しようとしています。その結果、進出した市場の、大部分を抑えています。豊かな資本金を元に、現地の文化と特徴を理解している現地の企業と連携して進出する楽天の動きは、理にかなっているのではないでしょうか。

ベトナムでは未開拓の市場は広大で、多くのベトナム国外の企業が関心を寄せています。海外企業は資金力の強みを持って、ベトナム国内の企業に対して大きな圧力を与えています。一方で、若い雰囲気のベトナム国内の企業は、市場の特徴を知り、能力があり、かつコストの低い技術者が多くいるという強みで、国外の力と競争しています。国内企業でも国外企業においても、ECモールモデルは発展しているおかげで、ベトナムのEC市場には明るい将来が待っています。

次回、ベトナムで育った私からみた現地市場の特徴と最近の傾向を紹介したいと思います。ぜひご覧ください!

※1:Internet Live Stats (www.internetlivestats.com)
※2:The Saigon Times
※3:Brands Vietnam