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  • 連載第4回
  • 2015/10/6

意外と見落としがちな棚卸の計上方法

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理解していますか? 棚卸のカウントの重要性

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「棚卸のカウントは目の前の物を数えればいいのだから簡単でしょ」というセリフは、経営者の方からよく聞きます。ですが、実地棚卸を正しく行うことは準備ができていて、なおかつ正しい知識や方法がないととんでもないことになりかねないのです。

棚卸は、決算日(3月決算の場合は3月31日)の営業終了後に残っている自社資産である「仕入在庫」をいいます。なぜ棚卸の金額が大切かというと、経理上は仕入れた商品は請求書が届く都度「仕入」として費用にすべて計上方法をしています。仕入れた商品が決算日までにすべて売れればこの処理で問題ないのですが、決算で0円になるように仕入れてはいませんね。そんなことをしていたら、決算日後に売る物がなくなってしまいます。

つまり、仕入れた物をすべて費用にしているので、売れていない分はいくらなのかがわかれば、実際に売れて出ていった金額(売上原価といいます)が逆算してわかるシステムになっています。正しい売上原価の金額を逆引きで計算するために、決算日の棚卸の金額を計算する方法が重要になってきます、粗利益に直接関係するからです。

棚卸は目の前にある物だけでいい?

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仕入れた商品を自社の倉庫や事務所に置いている場合は、物の数だけカウントしていけばいいのです。つまり、目に見える物を数えていくだけなので大きな間違いは起こりません。

しかし、問題は仕入れた物が複数の場所に保管されている場合や、船の上であったり、受託している自分の商品以外が一緒の棚にあったりする場合の管理方法でしょう。日頃から整理整頓されていたり、倉庫会社と連絡を取り合っていれば慌てることはないのですが、決算が過ぎてから遡って聞かれても、正しい棚卸の金額は難しくなってしまって理論値となってしまいます。

更に、棚卸の金額は仕入原価×個数で計算されるので、仕入原価がわからない場合などはもっと厄介です。

輸入の為替の変動や、仕入るたびに仕入金額が変わる価格変動の激しい流行商品の場合、同じ商品でも「いつの、どの金額の商品が棚に残っているのかわからない」といった状態に陥ります。スーパーの陳列で、古い日付の商品が手に取られやすい手前に置いておくといったように、古い物から売れるというカウントの方法があります。逆に、新しい商品から売れるとするカウントの方法など、売上原価の経理処理には複数選択できるようになっています。

一度採用した方法は継続して適用しなければならないのですが、法律上は簡単な「最終仕入原価法」という方法が原則となっています。つまり「最後の仕入単価を使ってカウントしていいですよ」という方法になります。

棚卸の管理は「商品有高帳」という商品の種類ごとに出入りをカウントする帳簿を参考にして、エクセルなどで管理していくことをお奨めします。データ上の数字と棚の上に実際にいくつある、といった数字を最後に付け合せをすれば商品を紛失しているかどうかの検証もできます。

棚卸在庫とは、つまり現金と同じように会社の大切な資産なのです。大切な資産を「なんとなく」で管理・処理せずに、正しく管理・把握ができる仕組みづくりは必須ですね。