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  • 連載第13回
  • 2016/3/25

理解している? 雇用と委託の意味と手続き

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理解している? 雇用と委託の意味と手続き

給与と外注委託の違いは消費税法では常に悩ましい、争点になる部分です。この2つの違いや意味、どの部分でどう考えて手続きが変わるのか解説します。

雇用と委託の使い分け

法人が個人へ支払うときに“雇用なのか、委託なのか”でいったいどんな意味があり、何がそんなに変わるでしょうか。税務調査でも外注費という勘定科目があるだけで徹底的に調べられる悩ましい部分です。
雇用というのは、会社と個人が雇用契約を結びいわゆる「社員」という立場になる意味の人です。派遣さんは、派遣会社の社員であって委託をしている会社の社員という意味ではないので、社員と同じ対応は必要ありません。社員にしてしまえばいいのに、と思われるでしょうが、会社の負担がとても重いので経営的な判断から雇用ではなく委託を選択するケースが多々あります。
負担という意味は、雇用関係になると健康保険、厚生年金、介護保険、雇用保険がかかります。労使折半といって、半分半分で負担になりますから、従業員1名増えると額面の約2割増しと言われています。遠方から通う社員の場合、通勤費や占有するデスク周り、有給や残業といった福利厚生など含めると相当な負担がかかります。
一方で委託という関係では、1つの業務について請負契約をして業務に従事してもらうので表向きは社員と同じなのに通勤費も込みで残業代や有給といったことがないです。一番大きいところは、労使折半の社会保険関係がなく、支払った金額から消費税の控除がある点が意味として最大ポイントです。
同じ100万を支払う場合で考えてみましょう。
社員の場合は、およそ10万の社会保険料の負担があり、消費税は給与の場合は控除できません。委託の場合は、10万の社会保険がなくて消費税は控除できます。その差は、単純計算でも「10万+8万」と18万円も負担が変わります。差額の金額分を本人に多く支給したら同じ結果となりますが、給与の倍額を払うわけではないので委託での扱いに魅力があるのです。
これは払う側の会社だけではなく、金額を受け取る個人側でも手取りが増える方を選ぶ場合で利害が一致するのです。
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雇用と委託の違い

働き方が一緒で、勘定科目を変えるだけで有利不利を使い分けるのではありません。
雇用の場合は、雇用契約をして社会保険加入して、勤怠の管理をされて、役職につくなど会社内の組織に組み込まれていき出世も左遷もあります。
委託の場合は組織に組み込まれないので、自由な存在です。自由な代わりに経済的な保障がないので、仕事がなければ契約が終了し収入がなくなります。疾病手当のような休業中の手当は受けられません。もちろん失業給付もありません。
会社側としては、必要な時だけ社員より高い報酬で業務委託し消費税を控除し経営上のリスクはなく、個人側としては高い報酬を合意した契約業務内容で請け負うというウィンウィンな関係ともいえます。理解して委託として働くならメリットを生かせます。
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まとめ

雇用か委託かの意味の判断の分岐点としては一定の税務上の基準があります。社員と同等の扱い&業務を行っている個人の場合には、単なる有利不利だけの双方の合意だけで委託扱いにするのは誤りです。社員と働き方や待遇など明確な違いがわかるようにしておくことが、重要な部分です。