• 決済
  • 連載第27回
  • 2016/9/30
  • 連載EC決済のイマとミライ

「Tカード」1枚でポイントを貯めて、決済まで可能な「Tマネー」 オンラインゲームやチケット分野での利用拡大に注目

Tマネーのサービスロゴ(出典:Tマネー)

日本の共通ポイントサービスで最もアクティブ・ユニークユーザーが多いと言われるTポイント・ジャパンの「Tポイント」。その会員数は、重複なしで6,000万人に迫る勢いです。そのTカードには、ポイントが貯まるだけではなく、電子マネー的に利用できる「Tマネー」の機能が付帯されてるのをご存じでしょうか?すでに、TSUTAYA、ファミリーマート、東武ストア、タウンプラザかねひで、ドラッグイレブン、ドラッグストアmac、ドラッグユタカなどでサービスが利用できますが、今後はオンライン決済での浸透を目指しているそうです。

Tカードは電子マネーの利用ニーズや親和性が高い?

「Tマネー」は、カルチュア・コンビニエンス・クラブの子会社Tマネーが2014年11月から導入したプリペイド型電子マネーサービスです。Tカードは国民の半数が利用する共通ポイントサービスです。利用者は、日常の様々なシーンでポイントを貯めたり、使ったりできますが、「Tマネー」は1枚のカードで決済まで可能になるサービスです。

決済時には会員カードで貯まるTポイントに加え、「Tマネー」独自のポイントもさらに加算されます。コンビニエンスストアやドラッグストア、レンタルビデオなどは小口決済のため電子マネーの利用ニーズや親和性が高く、会員へのサービス向上にもつながると判断して開始されたようです。

T会員は、店頭レジで現金をチャージするだけで、既存のほとんどのTカードがそのまま電子マネーとして使用できます。チャージは1,000円単位で最大3万円まで。また、「Tマネー」は磁気カードによるプリペイド支払いとなりますが、非接触ICカードに比べても決済処理スピードは劣っていないということです。

チャージした金額は、1円から支払いに使え、Tポイントを合算して払うことや、クレジットカード等との併用も可能となっています。また、残高はレシートに表示され、Tサイト上でも確認可能です。有効期間は最終利用日から10年間。

「Tマネー」では、Tカードのポイントとは別に、決済ポイントとして月間のTマネー利用額500円(税込)につき1ポイントを付与しています。この数字をみるとポイントの付与率はそれほど高くない印象を受けますが、1枚のカードで決済もできてポイントも貯まる利便性を重視している印象を受けます。

コンビニやレンタルビデオ店、スーパーなどでのチャージが可能

報道によると、スタート後1年半での「Tマネー」利用者は約300万人。現在、「Tカード」による1回のユーザー利用単価は平均1,500~2,000円とのこと。また、月間でも5,000~6,000円が利用。店舗によっては、会員の来店回数が増え、利用単価もアップしたといいます。

プリペイドサービスを展開する中で、成功の鍵を握る大きなポイントはチャージの浸透です。非接触電子マネーでは、実店舗を持つセブン&アイ ホールディングスの「nanaco」、イオンの「WAON」、交通利用で便利に利用できるJR東日本の「Suica」など、チャージする動機付けがある電子マネーが取扱高を伸ばしています。「Tマネー」についても、TSUTAYAやファミリーマート、消費者が日常的に利用するドラッグストア、スーパーなどでのチャージ環境は充実してきました。

現在は、リアルの店舗はもちろん、インターネットでの利用環境の充実を目指しているという報道がありました。特にデジタルコンテンツおよびチケット系のサービスの展開は注目したいところです。オンラインゲームなどでは、ウェブマネーやビットキャッシュといったネットワーク電子マネーの利用が多く利用されていますが、リアルの店舗でチャージしてオンラインで便利に利用するという循環が確立されれば、普及は見込めると思われます。また、手数料率もリアルのプリペイドカード同様に比較的安価であり、ネットワーク電子マネーに比べて優位性があるそうです。

さらに、CCCでは、Tカードを利用してコンサートやイベント会場に入場できる「Tチケット」というサービスも展開しています。そのため、Tマネーでチケットを購入してもらい、そのままコンサートやイベント会場に入場してもらうという訴求ができれば、チケットの販売での利用も広がる可能性はあるとみています。

店舗やサイトをまたいで横断的に活用される可能性を有する

一般に電子マネー、特にサーバ管理型のハウスプリペイドカードは同一店舗やグループ内で、顧客の囲い込み施策として利用される傾向があります。ただ、このTマネーは店舗やサイトをまたいでより横断的に活用される可能性をも有しています。これまで電子マネーやプリペイドカードは、リアルとネットを横断して使われるケースはそれほど多くはありませんでしたが、「Tマネー」によるO2O決済が加速するか、注目したいところです。

Tマネーのサービスロゴ(出典:Tマネー)

Tマネーのサービスロゴ(出典:Tマネー)

著者紹介

秋山 恭平
  • 株式会社ネットプロテクションズ
  • マーケティング部
  • マネージャー
  • bnr_air
  • bnr_atobarai
  • bnr_frex

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