• 決済
  • 連載第29回
  • 2016/12/7
  • 連載EC決済のイマとミライ

AI活用に注目、機械学習でコミュニケーションを図りながらの決済は広がるか?

20161207

昨今、スマートフォンを利用して事前注文・決済を行う仕組みが増加していますが、その際に人口知能(artificial intelligence、AI)を活用して、顧客とコミュニケーションを図るサービスが登場しています。また、今後はECサイトなどがLINEやFacebook等のメッセージアプリを活用し、決済につなげる取り組みが増加すると思われます。

スマホを活用して注文から決済まで可能に

昨今、スマートフォンを利用してリアルの環境でネット決済を行う企業が増えてきました。たとえば、日本交通の「日本交通タクシー配車」では、スマートフォンならではの直感的な操作とGPS機能で日本交通グループおよび日本交通関連会社のタクシーの中から、利用者の乗車場所近くを走行中の車両を簡単な操作で呼ぶことが可能です。また、降車時にはスマートフォンのアプリを利用した決済が行うことができるため、サイフもお金もカードも取り出すことなく支払いできます。日本交通以外のタクシー会社でも同様のサービスは増えており、今後も利用者は増加することが予想されます。

また、店舗での注文をスマートフォンで行うことができるサービスも登場しています。モスバーガーを展開するモスフードサービスは、一部店舗で先行導入していた、インターネットを通じて商品を注文できるサービス「モスのネット注文」を全国のモスバーガー店舗で展開しています。「モスのネット注文」は、パソコンやスマートフォンからモスバーガーの商品を注文し、店舗で受け取ることができるサービスです。モスバーガーのチャージ式プリペイドカード「MOS CARD(モスカード)」によるネット上での事前決済や、受け取り時間の指定ができるため、時間をかけずにスムーズな商品の受渡しが可能となり、顧客の利便性向上へとつながっているそうです。

今後は、こうしたサービスと人口知能(artificial intelligence、AI)との連携が期待できるでしょう。AIは、コンピュータの技術を使用して、人間と同様の知能、もしくはそれ以上の知能を実現させる基礎技術となります。同技術を活用することで、店舗もしくはECサイトの売り上げを向上させる取り組みはすでに始まっているのです。

チャット形式で注文・決済につなげる「O:der Cognis」

たとえば、Showcase Gigでは、スマートフォンを活用した事前注文・決済を行える実店舗運営支援ソリューション「O:der」を展開していますが、接客・購買ナビゲーションサービス「O:der Cognis(オーダー コグニス)」の搭載を2016年7月21日から開始しています。
「O:der Cognis」は、企業のオウンドメディア(アプリ・WEB)へのチャットボット導入を簡易に、効率的に実現するサービスとなります。実店舗やECサイトにおける販売シーンに特化した、チャット形式での対話型UI(チャットボット)であり、レジやデジタルサイネージなどのデバイス、他社基幹システムと接続されるAPIなどによって構成されるモジュール群となります。AIを組み込むことで、 実際の販売シーンのように会話のやりとりから文脈を判断し、潜在的なニーズに基づいた内容や、その人のパーソナリティにフィットした方法で自然にオススメが可能となるのが特徴です。

利用者が日替わりのオススメのコーヒーを訪ねた場合、店舗のスタッフがチャットボットにより自動で文脈を判断し、オススメのコーヒーを知らせることができます。その一連の流れの中で、決済まで提供できれば、店舗の売り上げにつながります。報道によると、Showcase Gigでは今後、オウンドメディアや既存メッセンジャーなど、あらゆる消費接点で接客・購買を実現させていきたいとしています。また、飲食に加え、小売、交通、ホテルなどにも「O:der Cognis」の導入を進めていく方針ということです。

コーヒーショップ「THE LOCAL」ではAIを活用した対話型UIにより実在の人気バリスタを再現(出典:Showcase Gig)

コーヒーショップ「THE LOCAL」ではAIを活用した対話型UIにより実在の人気バリスタを再現(出典:Showcase Gig)

LINEなどのメッセージアプリ上でオンラインショッピング

FacebookやLINE等を活用したチャットボットにより、接客向上や決済につなげる取り組みもスタートしています。2016年9月28日には、メタップスのグループ会社であるSPIKE ペイメントが、LINEなどのメッセージアプリ上でオンラインショッピングができる決済サービス「SPIKE チャットペイ」の提供を開始したと発表しました。導入企業は、会員情報との連携により、LINE上でのクレジットカード決済も可能になるそうです。

同サービスのメリットとして、導入企業にとっては、コミュニケーションを図る場であるメッセージアプリ上での決済につなげることが可能です。また、自動応答により、業務の自動化およびオペレーションの効率化が期待できます。

すでにガス会社の日本瓦斯(ニチガス)への導入が決定しており、ガス業界初のLINEによるガス器具の販売を10月から開始するとのこと。ユーザーはLINE のチャットボットを通じて、決済情報を入力することで、器具などの注文から決済まで一連の流れの中で可能となるそうです。

このようなサービスは今後も続々と開発が行われるでしょう。また、同サービスを実現できれば、CRMやワントゥ・ワン・マーケティングの実現にもつながります。ただし、課題もあります。それは、LINEやFacebookなどのメッセージアプリやソーシャルメディアはコミュニケーションを図るツールであり、決済を行う場面という認識が薄いことです。かつて、日本でも複数の企業がソーシャルペイメントに取り組みましたが、成功した企業は決して多くはありませんでした。ソーシャルメディアの場合、顧客との目線が同列になると言われており、そういったことも工夫した情報配信を行わないと、顧客の共感を得ることはできないでしょう。

ただし、将来の決済の形としては非常に可能性があると感じており、たとえば、後払い決済「NP後払い」のメリットを女性などに対し上手く訴求することができれば、さらなる成長につながる可能性もあります。今後も同分野には注目していきたいです。

LINEなどの企業アカウント上で、プロモーションから購入に直接結びつけることができる(出典:メタップス)

LINEなどの企業アカウント上で、プロモーションから購入に直接結びつけることができる(出典:メタップス)

著者紹介

秋山 恭平
  • 株式会社ネットプロテクションズ
  • マーケティング部
  • マネージャー
  • bnr_air
  • bnr_atobarai
  • bnr_frex

最近の投稿