• 決済
  • 連載第31回
  • 2017/1/12
  • 連載EC決済のイマとミライ

キャリア決済の国際的なサービスプロバイダーとの契約で国際展開が容易に

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日本でもスマートフォン向けのサービスとして、KDDIの「au かんたん決済」、NTTドコモの「dケータイ払いプラス」「ドコモケータイ払い」、ソフトバンクモバイルの「ソフトバンクまとめて支払い」が展開されています。海外でも同様に携帯キャリアは存在しますが、今後は世界中で普及するスマートフォンにより、国内でも海外でも自社のサービスを便利に利用してもらいたいと考える企業は増えると思われます。その際に重要な役割となるのが、「モバイル請求書払い:DMB(Direct Mobile Billing)」の国際的なサービスプロバイダーです。

世界のさまざまな国で携帯キャリアとタイアップしてサービス提供が可能

海外では、キャリア決済のことを「DMB」と呼んでいます。また、DMBのグローバルな展開を支援するサービスプロバイダーも登場しており、すでに日本でもビジネスが行われています。

日本だけではなく、海外でもモバイルのEC決済に占める役割は大きくなっています。たとえば、米国ではインターネットユーザーの25%ほどがモバイルのみのインターネットユーザーであるというデータもあります。また、アメリカの3,000万人のユーザーがDMBによる課金サービスを利用していると言われています。さらに、イギリスやドイツにおけるユーザー調査においてもモバイルインターネット利用者の30%ほどが何らかのDMBによる課金システムを選んでいるそうです。

DMBのサービスプロバイダーの具体的な役割として、デジタルコンテンツなどをユーザーに提供する事業者とその代金を通話料などに加えてユーザーに請求を行う携帯キャリアとの橋渡しを行っています。デジタルコンテンツ等の提供企業は、Boku等のサービスプロバイダーを通して、世界のさまざまな国で携帯キャリアとタイアップし、サービスを提供可能です。物販の場合は、物流や配送といった課題がまだありますが、デジタルコンテンツやオンラインゲームであれば、不正使用などの課題はありつつも、言語対応を行えばグローバル展開が図りやすい面もあります。

DMBのサービスプロバイダーと契約するメリットは?

実際に、DMBのサービスプロバイダーと契約するメリットは以下が挙げられます。

  • 2016年には20億人を超えるともいわれる世界のユーザーに対しサービスを提供可能
  • 各国の携帯キャリア等との面倒な契約を軽減できる
  • 世界のさまざまな国、通貨に対応できる
  • サービスプロバイダーへの1つのAPI接続により、世界さまざまな国でビジネスを展開可能
  • 複数の国に展開居た場合でも支払いを一元化可能。通貨・債権管理などを委託できる

世界最大手のBokuが日本に進出、Spotifyなどが採用

最大手のサービスプロバイダーであるBokuは、世界80カ国以上で300以上のモバイルキャリアとタイアップしています。同社では、40の異なる通貨でのモバイルオペレータダイレクト課金サービスを実施。導入企業にはGoogle PayストアやPSN/SonyEntertainment Network、Microsoft Windowsストア、Facebookアプリセンターなどがあります。Bokuの北米本社は米国・カリフォルニア州サンフランシスコに、欧州本社はイギリス・ロンドンに置いているほか、ブラジル・サンパウロ、ドイツ・ミュンヘン、フランス・パリ、イタリア・ミラノ、ラトビア・リガ、インド・ムンバイ、中国・北京、シンガポール、台湾・台北、日本・東京などにも拠点を有しています。2014年10月にはmopayを傘下に収め、経営統合を行い、グローバルでトップの地位を確固たるものとしました。

Bokuの強みとして、導入企業は同社との接続で契約する全キャリアと接続可能な点です。各国のキャリアによって、さまざまなルールや接続の方法がありますが、それらをBokuが取りまとめて、簡単な接続方法で提供できるそうです。さらに、各国によって税金やライセンスが必要ですが、それらもすべてBokuが取り仕切ることも可能です。
すでにBokuは日本へも進出。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社と連携しています。まずソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアがPSN/SonyEntertainment Networkにおけるウォレットへの入金方法として採用しました。直近では、2016年10月26日から、世界最大級の音楽ストリーミングサービス「Spotify」において、Bokuを通じ、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社と連携したキャリア決済を開始しました。今後は海外から国内でサービスを提供する企業はもちろん、国内から海外で進出する企業においてもBokuの採用は増えると思われます。

なお、現状、DMBのサービスプロバイダーの多くは、デジタルコンテンツやオンラインゲームを中心に各国のキャリアと接続するサービスを展開しています。日本でも北米や欧州、東南アジアなどに地域にサービスを展開する企業もでてきており、その際はBoku等のプレイヤーと契約するメリットは大きいでしょう。

なお、海外では物販などのサービスもスタートしています。国内でもキャリア決済が物販で利用されるケースが増えているため、将来的には、これまでクレジットカード、PayPal、Alipayなどが多かった越境ECの決済にDMBのサービスプロバイダーと契約するケースも出てくるかもしれませんね。

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国内でも展開するBoku。サイトでは、キャリア決済により、Visa、MasterCard、PayPalは必要ないことをPR

著者紹介

秋山 恭平
  • 株式会社ネットプロテクションズ
  • マーケティング部
  • マネージャー
  • bnr_air
  • bnr_atobarai
  • bnr_frex

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