• 決済
  • 連載第35回
  • 2017/3/10
  • 連載EC決済のイマとミライ

個人間で気軽に割り勘ができるアプリ「paymo」はモバイルペイメント拡大の切り札となるか?

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AnyPay(エニーペイ)は、2017年1月19日、割り勘アプリ「paymo(ペイモ)」のサービスを開始した。米国では、PayPal子会社のVenmo(ベンモ)が学生などから幅広い支持を得ていますが、日本でもスマートフォンを使って、消費者同士が簡単にお金を送れる時代が来るのでしょうか?

友人や仕事での飲み会などでお金を気軽に送れる

「paymo」は、iOSとAndroidに対応。利用者同士で簡単に割り勘ができるアプリとなります。たとえば、友人や仕事での飲み会などでは、会計を一緒に済ますことも出てきます。その際に、「paymo」では飲食代の請求や支払いを“いつでも・どこでも”アプリから気軽に行えることが特徴です。また、「paymo」内で行われる決済は全て手数料無料。AnyPayのWebサイトをみると、「カフェでの英会話レッスン」「結婚式の2次会参加費」「アイコンのダウンロード販売」「服やグッズの販売」といった利用シーンで便利に使用できます。

利用者は、アプリをダウンロードすれば、請求された人の銀行口座を知らなくても支払いが可能です。具体的な利用の流れとして、「paymo」の請求者は、支払う金額や簡単なコメント、スタンプなどを入力して請求情報を作成し、相手側に送信。その際、アプリに加えURL、対面でのQRコードに対応しています。また、請求者は、VisaもしくはMastercardのクレジットカード、「paymo」の残金、「paymoポイント」を利用して支払いが行えます。

さらに、気軽に送れることを意識するため、メッセージやスタンプなどを添えられることも特徴となっています。支払われたお金は「paymo」の中に貯まりますが、その金額を利用することができるとともに、自分の銀行口座へ振り込むことが可能です。

送金ではなく、収納代行サービスとして提供

支払い側は、支払い時に店名・日時・合計金額が記載されたレシートを登録する必要があります。AnyPayの決済手数料は無料ですが、支払われたお金を引き出す際、200円の手数料が必要です。なお、1回の支払い限度額は10万円、1カ月の合計30万円。報道によると、ターゲットユーザーは20~30代の社会人を想定しているようですが、将来的には年代に関係なくスマホユーザーならば誰でも利用されるサービスに育てていきたいということです。

なお、通常、送金業務を行う際は資金移動業者への登録が求められますが、同社では“収納代行”の仕組みを利用した割り勘アプリであり、特定の個人への債務に対しての支払いであると捉えているそうです。サービス開始に向けては、弁護士事務所と相談し、問題ないと確認して、サービスを展開しているとのこと。

気になるマネタイズについてですが、利用者の口座にお金が貯まり、店舗で決済できる状況をリアルおよびネットでつくることで、店舗側から決済手数料を得るモデルなどを想定しているそうです。

“Just paymo Me.”米国のVenmoのようにブレイクするか?

AnyPayは2016年6月に設立。すでに小規模な事業者でも簡単にクレジットカード決済サービスが導入できる「AnyPay」を開始しています。同社創業のきっかけは、代表の木村新司氏がシンガポールに移住した際、日本とのキャッシュレス化の差を肌で感じたからだといいます。たとえば、日本では約8割の支払いが現金決済ですが、スウェーデンは80%、韓国は60%、アメリカは55%が非現金決済で支払われています。

海外では、特にモバイルを利用した電子決済が変革期を迎えています。モバイル決済アプリでは「PayPal」や「Alipay」といったコマース型支払い、「WeChat」などのコミュニケーションサービスに大別されますが、特に中国では「Alipay」と「WeChat Pay」が急成長しています。

また、PayPal傘下の送金サービス「Venmo(ベンモ)」では個人間での支払いが可能ですが、月間流通金額が1,200億円を超えています。2009年に設立されたVenmoは、2012年にBraintreeという決済サービスの会社に買収されました(BraintreeはPayPalに買収される)。「Venmo」は、米国の銀行口座、SMS(ショートメッセージサービス)でメッセージを受け取るための米国の電話番号でサービスを開始できます。また、銀行口座もしくはデビットカードを利用する場合は手数料が無料となる手軽さが受け、米国で幅広く使われる送金アプリとなりました(クレジットカードを利用する場合のみ3%の手数料が徴収)。たとえば、アメリカの学生の間では、“Just Venmo Me.”という会話が交わされていますが、これは貸したお金を返して欲しいという意味となります。このように、アメリカではVenmoは広く認知、普及しており、paymoがターゲットとする友人との食事の割り勘代、集金リクエストなどにも幅広く利用されています。

日本でも割り勘ができる送金アプリが複数登場していますが、消費者への浸透はこれからといった状況です。AnyPayの記者会見の記事を読むと、paymoの当初の目標は、月間400億、1年で700万ダウンロードとのこと。AnyPayでは、決済や送金の世界もここ数年で変革を迎えると捉えているそうですが、“日本のVenmo”になれるか、注目したいところです。

 

「paymo」の請求(上)と支払い(下)の利用イメージ

「paymo」の請求(上)と支払い(下)の利用イメージ

 

著者紹介

秋山 恭平
  • 株式会社ネットプロテクションズ
  • マーケティング部
  • マネージャー
  • bnr_air
  • bnr_atobarai
  • bnr_frex

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