マーケティング

【連載第5回】 モールが続々と参入!ECサイトはコンテンツを作るべきか

日本最大のメディアを持つYahoo!ショッピングはどうしてる?

Yahoo!ショッピングには、「日本の定番」という特集ページがあります。2014年11月に発表された第一弾は、「日本の定番 日本酒71選」。日本酒に造詣が深い有識者14名が選んだ定番商品71点を紹介するという内容。ジャンルごとに増やしていく予定らしく、第二弾は「米100選」、第三弾は「厳選スイーツ100選」がリリースされました。次はなにが来るのでしょうか。Yahoo!ショッピングでも扱っていないものを紹介しているのが、中立なメディアらしい姿勢だと言えます。

shoeisha_img0414_01

この特集ページのコンテンツは、文章を読ませるというよりも、写真と商品情報をメインに、有識者のひとことコメントがついている商品紹介です。識者がオススメ商品をセレクトしていることから、一種のキュレーションでしょう。

しかしながら、ちょっと前に流行った「◯◯が選ぶ絶品お取り寄せ」とそれほど変わらないという印象も持ってしまいました。

Yahoo!トップページを見に来た人が、たまたまバナーを見て「いいな」と思ってクリックするという誘導でしょうか。特集があることを知った時には「買ってみよう」と思ったのですが、それぞれのショップさんのページに飛んで買う必要があるため、ちょっと面倒に感じて、この記事を書くまで忘れていました(3ヵ月くらい)。

Yahoo!ショッピングのコンテンツへの取り組みとしては、春のファッション特集に導入された「疑似3D画像」のほうが、個人的におもしろかったです。クリックで回転させて、コーディネートをくるっと回して見られるというものですが、ヤフーさんの技術によってそれほど特殊な撮影が必要なくなったそうです。それで売れるんかい!と言われるとアレですが、技術の発展はウォッチし続けたいところ。

shoeisha_img0414_02

Yahoo!ショッピングはそもそも、Yahoo!ニュースをはじめとするYahoo!トップページの集客力が戦力とされています。すると、コンテンツマーケティングは、特集ページがどうのと言う前に、すでに実施済みと言えるかもしれませんね。

商品こそコンテンツ、真似できないAmazon

以前の記事にも書きましたが、筆者はAmazonが大好きです。探している本(など)が、Amazonなら絶対に見つかるだろうという絶大な信頼を寄せています。最近は、カートのすぐ近くに「マーケットプレイスに出品する」ボタンも設置され、古本が出品されることでますます商品数は充実しそうです。
言うまでもなく、ECサイトのメインコンテンツは商品です。よって以前は、「集客のために商品数を増やせ!」といったことも言われました。しかし今では、1企業が運営するECサイトがAmazonに商品数で勝つことは難しくなっています。今残っているECサイトさんは、きっとどこかで方向転換をされたのでしょう。

コンテンツっぽい取り組みでいうと、個人的には「松居一代ストア」の登場がおもしろかったです。動画を用いてテレビショッピングのようにアプローチしようというもので、成果のほどはわかりませんが、場としてAmazonをセレクトされたのはさすがの嗅覚だと思います。

楽天市場は出版社と本気で雑誌づくり

DeNAショッピングに、ファッションマガジン「Lily」というのが創刊されると発表された数日後、楽天市場と幻冬舎の雑誌『GINGER』による、『GINGER mirror(ジンジャーミラー)』が発表され、記者会見に行ってきました。

shoeisha_img0414_03

『GINGER mirror』は、楽天市場に出店しているショップのアイテムの中から、紙の雑誌『GINGER』を制作しているスタッフがセレクトし、モデル、カメラマン、ライターなどが誌面を作り上げた、無料電子ファッション誌です。創刊号となる今回は、紙との企画のかぶりはまったくない、オリジナルとのこと。

shoeisha_img0414_04

さすが出版社が作っただけであって、コーディネートもかわいく、雑誌としては読んでいて楽しいです。操作もしやすい。ただ、「さあ買うぞ!」となって商品ページに飛んで写真を見ると、「あれ、イメージと違う……」となっちゃうんですよね。とはいえ、雑誌で見て買いたいと思う⇒実際買わない、忘れる、という流れよりは、離脱は低いかと思います。当たり前ですが。

一方で、編集部がセレクトしているとはいえ、「紹介」だけだと、ちょっとクオリティを心配してしまいます。編集部がブランドとコラボして作ったアイテムのほうが欲しいです。以上踏まえると、5~6,000円程度のベーシックアイテムは試しに買ってみてもいいかなと思いました。

アプリでなくブラウザなので、創刊号の話題性が過ぎた時、第2号をどうやって読んでもらうかが課題でしょうか。紙の『GINGER』と楽天市場の集客力に期待です。

イチEC事業者が明日から取り組むなら

モールによる、コンテンツマーケティングの取り組みを見てきましたが、Yahoo!トップページ、Amazonの商品数、楽天市場と出版社のタッグと、規模が大きすぎましたね。一般的なEC事業者さんが明日から取り組めることを考えてみましょう。

実は先日、ECzine Dayというイベントを開催したのですが、そこでECサイト構築のアラタナさんが『商品ページこそコンテンツだ』ということをおっしゃっていました。商品詳細ページの写真を選び直す、レビューに投稿された内容から『提案』して問い合わせを減らす、SEOに則ってテキストを書き直すといったことで売上・購入件数が1,847%となったECサイトもあるそうです。ぜひ、やってみていただきたいです。

我々メディアが「コンテンツマーケティングだ!」と騒いでいることもあり、混乱を招いているところも多々あるのですが、上の例を見る限り、モールのコンテンツマーケティングも成功するかはわかりません。なんだかんだ、やっぱり地道なことをコツコツ、なんですよね。