マーケティング

【連載第7回】 知っておきたい消費税簡易課税の計算方法

複数のEC事業をしている人や、副業でECサイトをもち、物品の販売を行っている人もいるかもしれません。消費税の申告のうち、業種別に計算が異なる消費税簡易課税について説明します。

消費税簡易課税の基本を知ろう

税金は、言わずとしれた国や地方公共団体のような公的機関に納めるお金です。消費税も国に納められているのですが、物を購入したときやサービスを受けた時に代金と一緒に払っているので日々払っている税金のひとつといえます。
消費税は間接課税という税金なので、負担している人(消費者)と納める人(事業者)とが別になっています。消費税を納税するのは、個人法人にかかわらず「事業をしている人」になるのです。
事業を行っていると、売上と仕入や経費などのお金が「入る方と出る方」と両方について消費税が関係しています。
売上げた時は消費税をもらっていますし、仕入や経費を支出した時や車など資産を購入した時も消費税を支払っています。
消費税は、いわば消費者の代わりに預かって間接的に国に納める税金です。預かっているだけなので、売上げて「預かった分」から仕入や経費などで「支払った分」の差額を計算して納めることになっています。これが原則的な方法です。

消費税簡易課税は、もっと簡単な計算になります。どこが簡単なのかというと、預かった分から支払った分を引くという計算が必要ないのです。言葉では簡単そうに感じますが一つひとつの取引をキチンと経理処理ができていなければ「預り-支払」を正しく計算できません。また、経費の計上が不十分であれば税金を納めすぎてしまいます。
消費税簡易課税は、売上だけキチンと集計しておけば、支払の方は「業種別」にあらかじめ決められた率で計算してOKという制度です。

現在は仕入の控除率として事業区分が次のような6段階あります。

ECサイトの場合は、不特定多数の一般消費者向けの商品販売になりますので、消費税簡易課税を選んだ場合、第二種の80%引ける分類となります。
では、消費税簡易課税を選んだ場合の具体的な計算をしてみましょう。100万円の売上の場合、仕入が80万円引けますので、20万円×8%が消費税の納税額となります。もしも、仕入が30万円しかかかっていなくても、経費が10万円しかかかっていなくても、80万円引けます。逆に、仕入が80万円かかってしまって、経費が20万円の場合には10万円×8%と余分に納めていることになります。

簡易課税と原則課税とどちらの方法を選択するかは、粗利益率次第です。

注意したい消費税簡易課税の選択時期

ueno_1125_img03

消費税の計算は、原則的方法が「預かった分-支払った分」という方法です。
簡易課税は選択した場合に使える方法ですので、税務署に「選択の届出書」という書類をあらかじめ提出しなければなりません。
簡易課税を選択したいと考える年度が始まる前の日までに提出しないと、1年間先送りになります。出すタイミングを間違えないように計画的にすすめるようにしましょう。

さらに、2つ注意点があります。
■注意点 その1
消費税簡易課税は小規模な事業所の方への簡単な方法という特典になります。
小規模という基準は、年間の売上が5,000万円以下の事業者になります。ECサイトなど小売業の場合、簡単に5,000万円は超えてしまうかもしれません。届出書を出しておいても売上が5,000万円を超えてしまったら、簡易課税選択をしていても原則的な計算になります。
■注意点 その2
消費税簡易課税選択届を出した場合、2年間は簡易課税を継続しなければいけません。
車や社屋の購入など、還付申告の可能性がある場合は簡易課税を選ばない方が得策です。

消費税簡易課税制度を理解して、経理処理の正確さの向上と税金の納めすぎに気をつけましょう。事業の種類が複数ある場合には、それぞれ売上が混ざらないように管理して、みなし仕入控除率を使い分けるとよいでしょう。