マーケティング

【連載第4回】 ベトナム物流発展からみるEC市場について、大手営業部長インタビュー

前回までの全三回で、ベトナムにおけるEC市場の現状についてご紹介しました。EC市場に参加するプレーヤー、ECを運用するにあたって必要なサービスや市場の傾向について、ベトナムの文化を踏まえながらご紹介しているので、気になる方は前回までの記事をご覧になってください。

今回はECショップの一番大切な物流サービスの現場を理解するために、ベトナムの大手配達業者のViettel Post(以下:VP)営業部長Dinh Thanh Son氏にインタビューしてまいりました。インタビューを通じて、ベトナム配送サービスの「リアル」を感じていただけたらと思います。

Q:VPの会社概要とサービス内容をご説明して頂けますか?
A:VPはベトナム全土で配送サービスを提供しています。具体的には2013年時点で、全国58の省と5つの中央直轄市、712県に普及しており、2014年には、11,000市に配達網を広げることで、ほぼ全ての地方に普及することになりました。
ECを支援するサービスとして、VPは主に3つの配送サービスを提供しています。

  • スーパースピード:大都市内(ホーチミン等)であれば、3-6時間以内に到着
  • 宅配便:ベトナム全国で翌日到着
  • 普通便:2-3日間以内に到着

そして、決済サービスとして代引きサービスも提供しています。

サービス料金は重量と距離によって計算しますが、平均単価は以下のようです。
(両替レート:1円=185ドン現在)

  • スーパースピード:3kg以内の荷物は平均216円
  • 宅配便:重量と距離によって、37円~351円
  • 普通便:重量と距離によって、37円~186円
  • 代引き料率:0.8%~1.3%請求金額

また、通販事業者に向けに、様々なオプションサービスも提供しています。例えば、全国に1,700ある配達センター(市内であれば3kmごとに1点、市外であれば5kmごと1点)では、顧客の元へ荷物を受け取りに行くことも行っています。そして、倉庫のサポート、APIでのシステム連携、弊社グループを使った配送サポートなども用意しています。

Q:ベトナムは日本と違って、住所を特定できない場合も多いと思いますが、そんな環境の中で配達成功率と荷物の安全性を担保する方法を教えて頂けますか?
A:お客様の住所以外に、お客様の電話番号も必須項目として入力して頂きます。配達直前に個人特定のために電話に直接連絡させて頂くので、確実にお客様本人に荷物を届けることができます。お客様が商品を受け取らない、もしくは返品の場合には、返品費用を請求させて頂きますが、そのようなケースは全体の5%しかありません。

ベトナムでは、配送中に荷物が紛失したり、箱の中身が盗難されることも多いため、VPでは、お届けの際に受取人のお客様と、配送物に相違がないかを確認します。もちろん、荷物の紛失も非常に少なく、全体の0.0002%程度です。

Q:最近、ベトナムでも配送のスタートアップ企業も生まれていますが、競合としてどうお考えですか?
A:最近立ち上がったばかりの企業はまだ規模が小さく、安全性を担保できないので、急激には発展しないのではないかと考えています。例えば、小規模の企業に対して代引きサービスのために債権譲渡するのは、やはり不安感がありますね。

Q:EC向けの配送サービスは全体売上のどれくらいを占めていますか?
A:EC向け配送サービスは2012年に開発を初めて、2013年実際に運用が始まりました。2年経過した現在、弊社全体売上の約20%を占めています。今年度末には22-25%になるのではないかと予測しています。これらのことから、EC向け配送サービスは急激に成長して来ました。そしてこれからも更に成長して行くと考えています。

Q:現在、国内配送ニーズとともに、海外配送ニーズも多く発生しています。海外企業もベトナムの個人顧客に直接商品を送りたいニーズも生まれつつありそうですね。VPは海外配送市場に進出する計画はありますか?
A:既に、海外配送のために、香港、中国、シンガポール、カンボジアなどにハブ拠点を開設していますが、代引きサービスはまだ提供できていません。だからこそ、海外配送サービスをする上で連携できるアライアンス先を探しています。

日本市場に関しては佐川急便株式会社と連携させて頂いています。日本からベトナムに送られる商品は佐川急便と連携し、ベトナムでの配達を担当しています。しかし、決済サポートはまだ提供できていません。将来的にEC購入者が簡単に買い物できるために、他国の企業とアライアンスを組み、配送サービスだけでなく決済サービスも海外市場に対して、提供していきたいと考えています。