マーケティング

【連載第2回】経営コンサルタント・竹内謙礼さんに学ぶ! 経営コンサルタント・竹内謙礼さんに学ぶ!~2017年ここを抑えて勝ち組ネットショップになる!(後編)~

トランプ次期米大統領当選やイギリスのEU離脱、熊本地震など、世界情勢の不確実性が増した2016年。その不確実性は、2017年も続くことが予想されます。
楽天市場などのネットビジネスのほか、さまざまなビジネス書籍で受賞履歴あり。180社近い企業の経営コンサルタントとして精力的に活動され、NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長も務める。また、毎年「売れる販売企画・キャッチコピー予測カレンダー」を出していらっしゃる、竹内謙礼さんとともに2017年の通販業界を考えます。

消費低迷の時代を耐え得るには“大義”がマスト!

NP秋山)
今年も「売れる販売企画・キャッチコピー予測カレンダー」拝見させていただきましたが、相変わらず鋭い切り口でとても参考になりました。カレンダーでもいろいろ予測されていましたが、改めて2017年の通販業界はどうなると予想されていますか?

竹内さん)
2017年に限らず今後の通販業界には、2016年以上に非常に辛い困難がつきまとうでしょう。消費傾向全体では、デフレ現象は避けられず、モノが売れない時代が加速。2019年10月1日には消費税が引き上げられることで、消費が一気に冷え込み、景気回復まで2年以上を要します。そういったモノが売れない中でも、2020年に東京オリンピックを迎え、閉会後に不動産バブルは崩壊。更なる苦境に立たされるとの見解が強いのは事実です。
この困難を乗り切るために必要なもの…それは“大義”だと考えます。私腹を肥やす・名声を上げるというだけではなく、自社に対する相当の“大義”がないといけません。“大義”がないと従業員もついてきませんし、これからの社長像も変わっていく必要があるのではないでしょうか。

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NP秋山)
生半可な気持ちでは乗り越えていけないわけですね。
ネットプロテクションズでは、「つぎのアタリマエをつくる」ことが“大義”であり、ミッションだと考えています。2012~2013年頃、「自分が経営者だとしたら、何を存在意義としてこの会社を経営していくのか」ということを全社員で考え、アウトプットしました。

竹内さん)
ベンチャー企業は危機意識も高く、こういうことへの取り組みも早いと思いますね。

スマホサイトへの傾倒に要注意!SEOはいまだPC比重型

NP秋山)
ここ最近スマホの普及に伴って、各社スマホ比重型の様相を呈していますが、今年もそれは続くのでしょうか?

竹内さん)
事実スマホの普及を背景に、電車の中など、移動中の購買が増えています。しかし、購入にはスマホ、事前調査にはパソコン・タブレットをハイブリッドに使い分けていると考えておくべきです。本来、スマホでは複数のウィンドウが同時に開かないため、徹底的に調べるには適さないという矛盾をはらんでいます。スマホ比重型になり過ぎて、PCを疎かにすべきではありません。SEOはまだPC比重型だということを考えると、尚更のこと。自社にとって、スマホ専用サイトの必要性を再検討する必要があると思います。

NP秋山)
スマホの活用も適材適所。当然のことかもしれませんが、限られた時間と人員で、どこに比重を置いて戦略を立てていくのかが大事になっていくのかもしれません。
伸び悩んでいるショップは改革が求められますが、なんでもやればいいということではないのですね。
業界別で見た予測はどうですか?

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竹内さん)
消費者がお金に困った時にまず節約するのは、洋服代です。不景気になると個人売買が流行り、C to Cビジネスという意外なところで、マーケットが崩れ落ちてしまうということもあるようです。あとは、ファストファッションの流行も一因に挙げられます。
メールマガジンのレバレッジがきかなくなったなかで、そのショップでリピートして買い続けてもらう理由…そこにも“大義”が必要とされます。社内でもその“大義”を十分に理解してもらった上で、そのショップで買う理由というのを明確に打ち出し、他社との差別化を図らなければいけません。

2017年の世は、まさにコンテンツ合戦の時代!?SNSは見極めた上での活用を

NP秋山)
2017年はどのような施策を打つ必要がありますか?

竹内さん)
これからは、商品・広告に使っていた費用をコンテンツに使わないといけません。コンテンツをつくることがタダになってしまうと、質の悪いコンテンツばかりになってしまいます。今後はコンテンツ合戦となり、いかに魅力的なコンテンツを提供できるかが肝となるでしょう。例えばGoogleやYahooといった検索エンジンでは、芸能人をニュースと絡めた経済ネタが上位表示される傾向にあります。ただ、従業員が毎日ブログを書いているだけで集客は見込めません。魅力的なコンテンツをつくるために、良いライターに外注し、SEOも指揮して、戦略的にコンテンツを増やしていく必要があります。
ここ数年見てきて思ったのは、経営者側がSNSに切迫されているということ。FacebookやInstagramはジュエリーショップ等、写真映えの良いもので効果的です。費用を回収するのに時間を要するのでキャッシュフローに余裕がある必要もあるため、自社にとって有効手段かを見極め、SEOやコンテンツ、実店舗の展開に費用をかけるのも得策だと思います。

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NP秋山)
大企業が伸びている一方で、潤沢な資金がない中小企業は、選択・集中を迫られます。そのひとつが“大義を持つ”ということだと思うのですが、どのようにして自社に合った対策を見つけていくべきでしょうか?

竹内さん)
中小企業であれば、取り敢えず課題を実行。そして失敗し、失敗の原因を考察。このサイクルをスピードアップしていくほかありません。目新しいことをするよりも、以前から行っていたことを見直したほうが早い場合もあります。例えば、キャッチコピーを少し変えるだけで効果を発揮したりするものです。無闇に新しいことに飛びつくのではなく、今行っていることを見直したほうが案外、売上げには直結しやすいように思います。

NP秋山)
ビジネスとして横に広げたくなるところですが、当たり前のことを着実に実行し、PDCAサイクルをスピーディに回していけるかどうかが問われるわけですね。

前編・後編にわたり、大変参考になるお話、ありがとうございました。
企業様にとって力強い味方となれるように、弊社もさらに精進していきたいと思います。

前編では2016年の振り替りをしているので、ぜひ合わせてご覧ください。