マーケティング

【連載第39回】 【図解】すぐに使えるマーケティング手法

「売上が伸び悩んでいる」
「何を改善すればいいのか、いまいち分からない」
「サイトの問題点を洗い出せる方法を知りたい」

上記のようなお悩みをお持ちのECサイト運営者の方は、ぜひ一度、“マーケティングでつかえる分析手法”をお試しください。適切な分析は、ECサイトの問題点を明確にし、改善のためのヒントをくれます。

しかし、具体的にどんな手法を使えばよいのか分からない方も多いでしょう。そこで今回は、代表的なマーケティングリサーチ手法を5つご紹介。ECサイトの分析ではどのように役立つのかなどをお伝えします。

マーケティングの分析手法1:4P分析

別名「マーケティングミックス」とも呼ばれる4P分析は、ターゲットのいる市場をさまざまな角度から分析することで、自社の課題や強みを見つけ、具体的な施策の立案に役立てる手法です。

4つのPが表すものとは?

4P分析におけるPとは、Product(製品)Price(価格)Place(流通)Promotion(販促)の4要素を表す言葉の頭文字です。以下、詳細を説明していきましょう。

4P分析

ご覧のとおり、4つのPはいずれもECサイトと顧客をつなぐ役割を持った要素です。

EC業界での具体的な分析例

4P分析の際のポイントは第一に顧客目線になることです。ECサイトを利用しているユーザーの目に、その商品・サービスがどう映っているかを考えましょう。また、自社だけでなく、競合他社の立場にも立って分析を行ってください。

ここでは、とある伝統工芸品の販売について考えてみます。

4P分析 例 工芸品の販売

上記のように項目を埋めた上で、それぞれの“P”を組み合わせた施策を考えます。

  • 「製品」×「販促」=伝統工芸品を現代の暮らしの中に取り込んだ写真をSNSで発信
  • 「価格」×「流通」=ネット注文したものを実店舗で受け取ると送料分が割引きになるサービス
  • 「価格」×「販促」=メルマガで割引きクーポンを配布

このように、単一の問題にフォーカスするのではなく、4つのPを複合的に捉えることで、新たなアイデアが生まれる可能性があります。

マーケティングの分析手法2: PEST分析

PEST分析は、ECサイトやそれに伴う事業の周りにある外部環境を捉え分析する手法です。自社分析だけではなく、世の中的な流れを抑えることで、機会損失回避や売上アップにつなげます。

PESTは何を表す?

PESTは、4つの単語の頭文字が集められた言葉です。それぞれの意味を紹介します。

PEST

このように、商品やサービスといった内的な部分ではなく、よりマクロな視点での環境を把握することで、対策を考えていきます。

EC業界での具体的な分析例

それぞれの項目に、近年起こった出来事などを記入していきます。この際、自社が取り扱う商品・サービスとは関係がなさそうなものも列挙してしまって構いません。

PEST 分析例

政治や社会、経済、技術などは一見するとECサイトとは関係性が遠く感じるかもしれません。しかし、規制緩和や増税などのニュースは、商品の生産や消費者行動に大きく影響を与えるでしょう。社会的な問題や経済動向についても同様です。

たとえば上記の図表で言うと、単身世帯が増え、女性が社会進出しているという状況の場合、消費者のニーズは「ファミリー向け」から「一人暮らし向け」に変化しているということが予想できます。そのため、小袋に分けた商品の人気がでるのでは? といった予想がつくはずです。

マーケティングの分析手法3:ファイブフォース分析

戦略的な施策を考える際は、自社だけでなく、業界全体の状況を適確に把握することが大切です。そんな時に役立つのがファイブフォース分析。現在から未来に至るまで、自社が何を行うべきかが見えてきます。

5つの競争要因

ファイブフォース分析は、以下の5つの競争要因によって分析を行います。

ファイブフォース分析

内的要因と外的要因、両方の切り口から競争要因を捉え、業界の競争・収益構造を把握していきます。その結果、どの原因に対して働きかけるのが自社優位性確保につながるのかが明確になります。

EC業界での具体的な分析例

ファイブフォース分析は、内的要因を示す横軸と、外的要因を示す縦軸を組み合わせることで理解がしやすくなります。イメージとしては、以下の図のようになります。

ファイブフォース分析

比較的ニッチな商品を販売するECサイトを例に、ファイブフォース分析を行ってみましょう。

  • 新規参入の業者の脅威:一見、独占的な販売に見えるが、実は生産自体は容易なので新規参入があると大きなダメージを受ける可能性がある
  • 代替品の脅威:機能だけを見ると、すでに安価な製品は発売されているが、コスト以外の付加価値が評価されているため、現状脅威というほどではない
  • 買い手の交渉力:比較的高額な商品のため、顧客の要求は高い。商品の品質はもちろん、対応などもサービスのひとつとしていかないと見限られる可能性もある
  • 売り手の交渉力:現状では他社に比べて替えのきかない商品を提供できているので交渉力は高い。

上記のように項目を埋めていくと、自社だけでなく競合他社を含めた業界の状況が判断できます。その上で、何に注力すれば良いかが見えてきます。

マーケティングの分析手法4:3C分析

3C分析は規模や業種にかかわらず、幅広い場面で使われている手法です。自社のビジネス環境を分析するためのプロセスとして組み込まれるケースが多く、課題発見に役立ちます。

3Cの意味とは?

3つの“C”を以て分析を行う3C。どのような意味なのかをご紹介します。

3C分析

3CはECサイトでも比較的使いやすい分析方法です。特に重要なのは自社(Company)市場・顧客(Customer)。この二つ切り口を考えると、さまざまアイデアが生まれるはずです。

EC業界での具体的な分析例

3C分析を行う場合の手順例を紹介します。

はじめにCustomer(市場・顧客)を明確にすることからはじめます。この際には、先に説明したPEST分析やファイブフォース分析が役立ちます。なお、顧客分析の方法としては、アンケート調査なども効果的です。
次にCompetitor(競合)についても考えていきます。ECショップの場合には、すでに大手が参入している分野もありますので、そこを避けていかにブルーオーシャンに近い市場を開拓できるかが重要です。可能な限り強い競合がいない場所を探すために、分析を行いましょう。

最後にCompany(自社)の分析です。自社がどのような資産(扱っている商品やサービス品質、各業者との関係性、経営陣の人脈など)を持っているかを確認し、どのような施策が打てるのかを確認していきます。

下記では、スポーツアパレルのECサイトについて考えてみます。

3C分析 例

なお、3C分析の手順はこの他にも存在します。分析の順番を変えるだけでも、違った“気付き”に出会える可能性もあるので、ぜひ試してみましょう。

マーケティングの分析手法5:SWOT分析

マーケティング分析手法としては非常に有名なSWOT。ECサイトや、そこで取り扱う商品・サービスの強みや弱み、外的要因を分析し、どのようにユーザーへアピールすればよいかのアイデア着想に役立ちます。

SWOTは何の頭文字?

SWOTはStorengths(強み)Weaknesses(弱み)Opportunities(機会)Threats(脅威)の4つの分析項目の頭文字となっています。

SWOT

それぞれの項目を書き出していき、全体を分析することで具体的な対策が見えてきます。

EC業界での具体的な分析例

たとえば某雑貨店のECサイトをSWOT分析した場合、以下のような図表が完成します。

SWOT 例

この中から、強みをどう生かすのか? 弱みをどう克服するのか? といったことを考え、改善を行っていきます。

  • 全国でも取扱の少ない商品を独占で扱っている
    →ブランド力を高めるために、サイト上でそれを前面に押し出す
  • スタッフが少なく、発送に時間がかかる
    →サイト内で発送にかかる時間をあらかじめ記載し、受注後には丁寧なサポートを心がける
  • 芸能人がテレビで自社製品を使用しているのが放映された
    →ブログやSNSなどでそのことを発信し、興味喚起を促す
  • 大手が類似商品の販売を開始している
    →“手作り”であることや、高級感を表現するようなコピーを入れる

このように、SWOT分析を上手に活用すると、商品をアピールするためにどのような施策を取ればいいかの指針が見えてきます。

マーケティング手法は組み合わせて活用!

今回は、代表的なマーケティング分析の5つの手法についてお伝えしてきました。いずれもECサイトはもちろん、さまざまな場面で役立つものばかりです。目的用途に合わせて最適なものを選び、時には組み合わせながら活用してみてください。